今日の相場は朝から急激な上昇を見せましたが、皆様の保有銘柄や狙っていた銘柄の動きはいかがでしたでしょうか。日経平均が一時1,000円以上も値上がりするようなお祭り騒ぎの1日になると、どこでエントリーすべきだったのか、どの波に乗るのが正解だったのかと、後から振り返って頭を悩ませることも多いかと思います。激しく動く相場の中で利益を堅実に残すためには、まず市場の大きな流れを正しく把握することが欠かせません。
今回の急騰劇の引き金となったのは、前夜の米国市場で発表された消費者物価指数の鈍化でした。これによりインフレに対する警戒感が和らいで長期金利が低下し、為替がわずかに円高に振れるなかで、これまで調整が続いていた大手のハイテク株や半導体関連株に一気に買い戻しが入る流れが生まれました。さらに、取引時間中にオランダの半導体大手であるASMLが市場予想を上回る好決算を発表したことが日本の市場にも強力な追い風となり、キオクシアや東京エレクトロンといった主力株を中心に全面高の展開へ繋がっています。ただその一方で、中東での地政学的な緊張の高まりから原油価格が上昇するなど、市場の先行きには警戒すべき要素も混ざり合う複雑な1日となりました。
この記事では、そんな激動の米国市場から日本市場への一連の流れを分かりやすく整理し、楽天証券を用いたデイトレードと、SBI証券による高配当投資やスイングトレードのリアルな売買動向を公開しています。個別のトレードにおけるエントリーの狙いや、直面した課題についてのリアルな振り返りも余すことなくまとめました。なお、本文に記載している各トレード銘柄の銘柄名には、本日取引したそれぞれの銘柄に関する過去の取引記録へアクセスできる過去記事リンクを設定していますので、前後の値動きのつながりや過去の戦略を比較したい際にご活用ください。日々の相場環境をしっかりと分析し、自らのトレードを客観的に振り返ることで、読者の皆様と一緒に投資家として一歩ずつ成長し、これからの相場を勝ち抜くための判断力をアップデートしていければ幸いです。
2026年7月15日の市況|インフレ警戒後退と好決算がもたらした日米市場の強力な買い戻し
主要指数(7月15日時点)
日経平均:68,751.51(+1,008.01)
TOPIX:4,088.12(+49.14)
NYダウ:52,508.27(+9.63)
NASDAQ:26,107.01(+233.83)
S&P500:7,543.59(+28.25)
米国市場(7月14日)
14日の米国市場は、投資家の関心を集める重要な経済指標の発表や主要な大企業の決算発表が相次ぐスケジュールとなるなか、これまでの警戒感が和らぐ形で主要な株価指数がそろって反発する力強い展開となりました。
優良株の動きを映すNYダウは、前日比で+9.63ドルの52,508.27ドルと、わずかながらもプラス圏を維持して取引を終えています。一方で、成長株やIT関連企業の比率が高いNASDAQは前日比+233.83ポイントの26,107.01と大きく上昇し、市場全体のトレンドを示すS&P500も前日比+28.25ポイントの7,543.59と良好な結果で引けました。また、市場の先行きへの不安感やボラティリティを示すことで知られる恐怖指数ことVIX指数は、前日比で-0.66ポイントの16.50へと低下しており、市場参加者の間に広がっていた不安心理が徐々に解消され、リスクオンの姿勢が戻りつつある状況がはっきりと見て取れます。
この日の株式市場において大きな買いの推進力となったのは、取引開始の前に発表された6月の米消費者物価指数でした。この指標の伸び率が市場の事前予想を下回る落ち着いた結果となったことで、アメリカ国内におけるインフレの沈静化傾向が改めて証明され、これが投資家にとって非常に大きな安心感をもたらしました。インフレに対する過度な警戒感が和らいだことで、これまで高止まりしていた債券市場では長期金利が低下へと向かい、米10年物国債の利回りは前日比で-0.028%となる4.596%まで低下しました。金利の低下に伴って外国為替市場でもドルを売る動きが優勢となり、対円でのドル円相場は前日比-0.2220円の162.2140円と、緩やかながらも円高方向へ進む動きが見られました。
個別銘柄の動向に目を向けますと、長期金利の低下が追い風となり、直近で調整局面が続いていたエヌビディアをはじめとする半導体関連の銘柄や大手のハイテク株に対して、売り方の買い戻しや新規の押し目買いが活発に入りました。さらに、本格的なスタートを切った第2四半期の決算発表において、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった大手金融機関が市場の予想を大きく上回る良好な決算を発表したことも、米国経済の根底にある底堅さを改めて印象づけ、相場全体の安全弁として機能しました。一方で、個別材料ではIBMが業績や将来見通しへの懸念から大幅な下落を記録し、指数全体の重荷として意識されたことで、NYダウの上値をやや抑える要因となりました。
その一方で、市場が一方的な上値追いに慎重になった背景には、中東地域における地政学的な緊張の高まりが挙げられます。米国とイランとの間での対立構造がさらに深まり、原油の重要な輸送ルートであるホルムズ海峡の封鎖が現実味を帯びてきたことから、原油先物市場が急騰する場面がありました。WTI原油先物は前日比+1.20ドルの79.34ドルまで上昇し、およそ1ヶ月ぶりの高値水準に迫る勢いを見せました。こういったエネルギーコストの上昇は、将来的な二次的インフレを引き起こすリスクとして意識され、消費関連の銘柄などの株価を押し下げる要因となるなど、ハイテク株の上昇を好感する一方で、セクター間での温度差が残る、好悪入り混じった複雑な一日となりました。
米国市場全体のまとめ
1.主要な3つの株価指数は、インフレの鈍化を示す経済指標を好感してそろって反発する展開となりました。
2.6月のアメリカ消費者物価指数が事前の市場予想を下回ったことで、追加の利上げに対する警戒感が大幅に後退しました。
3.アメリカの長期金利である10年債利回りが低下したことを受けて、ハイテク株や半導体関連株に活発な買い戻しの動きが見られました。
4.大手の金融機関が軒並み好調な決算を発表した一方で、IBMの株価が大幅に下落したことが指数全体の上値を抑える要因となりました。
5.米国とイランの対立激化に伴う中東の地政学的リスクの高まりから、原油価格が急上昇しエネルギー懸念が再燃しました。
日本市場(7月15日)
前日の米国市場において、消費者物価指数の伸び率鈍化をきっかけとする将来的な金利引き下げへの期待が膨らみ、半導体関連株を中心に幅広く買いが先行した好地合いが、そのまま日本の株式市場にも力強い波として伝わってきました。これにより、本日の日経平均株価は非常にダイナミックな上昇劇を見せることとなりました。朝方の取引開始直後から、ハイテク関連の主要銘柄や値がさ株を中心に海外投資家とみられる大口の買い注文が先行し、取引時間中には前日比での上げ幅が一時1,000円を超える場面が見られるなど、極めて熱気のある相場展開となりました。前日のアメリカで長期金利の先高観がひとまず和らいだことが、国内市場における主力のハイテク銘柄の買い戻し意欲を力強く後押しした格好です。
最終的に、日経平均株価の終値は前日比1,008.01円高の68,751.51円と大幅な続伸を記録し、大台を意識する水準での着地となりました。また、東京証券取引所の株価指数であるTOPIXも同様に終始しっかりとした足取りを維持し、前日比49.14ポイント高の4,088.12と高水準で取引を終えています。日中の動きとしては、取引が行われている時間帯に韓国をはじめとする他のアジア主要市場が安定して堅調な推移を見せたことも、市場参加者のセンチメントを明るいものへと導き、午後の取引時間帯にかけても大きく崩れることなく、高値圏をがっちりとキープし続ける安定感のある一日となりました。
個別銘柄や業界セクターの動きを細かく見てみますと、非鉄金属や電気機器などのセクターが市場の上昇エンジンとして大きく貢献しました。特に午後の取引に入ってから、オランダの半導体製造装置の世界的巨人であるASMLの決算内容が市場の予想を上回る優れた数字であったことが分かり、あわせて発表された今後の業績見通しも極めて強気な内容であったことから、買い手の意欲がさらに刺激される結果となりました。これに敏感に反応する形で、東京エレクトロンやアドバンテストといった日本の主力半導体製造装置関連株にまとまった規模の機関投資家の買いが入ったほか、売買代金でトップとなったキオクシアホールディングスやレーザーテックが揃って急騰し、イビデンやフジクラなども大きく株価の水準を切り上げるなど、お祭り騒ぎのような様相を呈しました。
東京証券取引所の最上位区分であるプライム市場全体の売買状況を振り返ると、値上がりした銘柄数は1,152に達し、これは市場全体の実に73%を占める水準であり、値下がりした371銘柄を大きく凌駕する全面高に近い極めて良好な地合いとなりました。日本国内において相場の水を差すような固有のマイナス材料が皆無だったことも手伝い、世界的な半導体需要の根強さを素直に受け止め、買い一色で進んだ一日と言えます。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均株価は前日比1,008.01円高の68,751.51円、TOPIXは49.14ポイント高の4,088.12となり、ともに朝方の取引開始から大幅な上昇を見せました。
2.前日のアメリカ市場で発生した金利引き下げに対する期待感とハイテク株の上昇トレンドが、日本市場にも非常に大きなプラスの影響を及ぼしました。
3.取引時間中の午後に発表されたオランダのASMLの素晴らしい決算と将来への明るい見通しが、国内半導体関連株の勢いをさらに加速させました。
4.キオクシアホールディングス、レーザーテック、東京エレクトロンといった市場を代表する大型半導体株に買いが集まりました。
5.東証プライム市場の値上がり銘柄数は1,151と全体の約74%を占める全面高の展開となり、全体の売買代金は9兆5,675億円を記録しました。
トレード銘柄|各銘柄の特性を意識した機動的な売買アプローチ
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 3110 日東紡績
株 価: 3,545.0円 → 3,570.0円
約定時間: 09:21:45 → 09:24:14
収 支: +2,500円
狙 い: 前日の相場で売買が非常に活況に行われており強い注目を集めていたことから、本日も朝方からしっかりとした値動きが見られたため、短期的なボラティリティの波に乗るべく買いエントリー。 - 5801 古河電工
株 価: 3,601.0円 → 3,604.0円
約定時間: 09:41:09 → 10:37:56
収 支: +300円
狙 い: 売買代金ランキングにおいて上位に位置しており、多くの市場参加者の視線が集まっていることを確認したため、ここからの反発局面を想定して選定し、エントリー。 - 5802 住友電工
株 価: 2,519.5円 → 2,522.5円
約定時間: 13:30:13 → 13:35:37
収 支: +300円
狙 い: 売買代金ランキングから銘柄をチョイスし、値動きの安定性と今後の上値余地を考慮して取引の候補として設定。 - 485A パワーエックス
株 価: 2,137.0円 → 2,142.0円
約定時間: 14:10:35 → 14:16:20
収 支: +500円
狙 い: 前場の取引終了間際に飛び出してきた「データセンター向け蓄電システム協業」という非常にインパクトの強い材料発表により、出来高と売買代金が急激に跳ね上がる様子を確認しました。また、14時には市場全体のセンチメントを揺らすASMLの決算発表が控えており、ここを境に一段と株価の乱高下が発生することを想定し、値幅を狙いに行くために機動的にエントリー。

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- なし
売却銘柄
- なし
6月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|取引プロセスの振り返りと今後のトレード効率向上のための課題整理
本日のトレード全体を振り返ると、個別の動きに合わせた冷静な判断ができた部分と、今後の大きな課題となる教訓が得られた部分とがはっきりと分かれる一日となりました。
まず日東紡績のトレードに関しましては、事前に定めたプラン通りにブレのない取引が実行できたと感じています。この銘柄の呼値が5円刻みであることや、自分自身が初めて手掛けるタイプの値動きをする銘柄だったこともあり、エントリーをするよりも前にイグジットに至るまでのストーリーを頭の中でしっかりと設計してから挑みました。その結果、無用な焦りを生むことなく、きれいに利益を確保することができました。
一方で、課題が残ってしまったのは古河電工の取引です。自分が購入する際に重要なサポートラインとして意識していたラインを、買いを入れた後に下方向へとブレイクされてしまいました。このブレイクにより、それまで下支えだったはずのラインが今度は行く手を阻むレジスタンスラインへと役割を変えてしまい、上値が非常に重くなってしまいました。その結果、なかなか株価が戻らず、決済するまでに想定以上の時間がかかってしまいました。このトレードが長引いてしまった要因の一つとして、自分で設定していた損切りラインには到達しなかったため、良くも悪くも身動きが取れずホールドし続けてしまったことがあります。この間、他にも魅力的な動きをしていてエントリーできそうな銘柄がいくつか視界に入っていたのですが、そちらに対して「今から入る場合のシナリオ」をじっくりと考えているうちに株価がスルスルと上昇していってしまい、絶好のタイミングを逃してしまうという機会損失にも繋がりました。ホールド中の資金の拘束と、シナリオ構築のスピード感については今後改善すべき重要なポイントです。
後場の時間帯に手掛けた住友電工については、チャート上で高値圏におけるレンジを形成しているタイミングでした。ここから下に抜けて下落してしまうリスクも頭をよぎりましたが、それまでの買いの蓄積によるボックスのサポート機能がある程度信頼できると判断しました。最悪の事態を防ぐためにも、利確の目標ポイントをこのレンジ内に設定することで、安全に小さく利益を抜くという手堅い戦略で何とかプラスで終えることができました。
最後のパワーエックスに関しては、前場引け間際に出された好材料のおかげで、後場に入ってからも上値を追う非常に活気のある状態でした。ただ、14時には半導体セクター全体を大きく揺らすASMLの決算発表が控えていたため、まずはその決算の発表内容とそれを受けた関連銘柄の第一反応をしっかりと確認してからエントリーすることにしました。一度下値を探るような押し目を作る動きもあり、ハラハラする局面もありましたが、当初から想定していたイグジットのポイントまで引きつけて、きれいに利益確定をすることができました。イベントの通過を待ってから動くというリスク管理がしっかりと実を結んだ、納得のいく取引となりました。
