米国の主要3指数がそろって下落した翌日に、なぜ日経平均は1,272円高まで大きく反発したのでしょうか。前夜の米国市場では長期金利が一時5.293%まで上昇し、株式市場には重さがみられた一方、SOX指数は1.32%上昇しており、半導体株には主要指数とは異なる強さが表れていました。
9月30日の日本市場では、AI・半導体関連株を起点に買いが広がり、東京エレクトロンやアドバンテスト、フジクラなどが上昇しました。その後は非鉄金属や銀行、金属製品にも資金が向かい、東証33業種すべてが上昇しています。原油価格の下落や米国の追加利上げ観測の後退も意識されるなか、日経平均だけでなくTOPIXも大きく上昇する一日となりました。
この記事では、前夜の米国市場から9月30日の日本市場へ続いた相場の流れとともに、楽天証券で行った新規上場3銘柄のデイトレード、SBI証券での高配当株を中心としたスイングトレード、そして2026年9月の収支を振り返ります。なお、本文中でリンクを設定しているトレード銘柄の「銘柄名」をクリックすると、その銘柄を過去に取引した際の記事を確認できます。当日の判断を過去の取引とも見比べながら、一緒に相場への理解を深め、これからの投資判断を少しずつアップデートしていければと思います。
2026年9月30日の市況|AI・半導体株を起点に日経平均が1,272円高
主要指数(9月30日時点)
日経平均:66,753.72(+1,272.45)
TOPIX:4,108.65(+67.52)
NYダウ:51,3649.92(-131.59)
NASDAQ:26,797.54(-22.84)
S&P500:7,670.84(-12.85)
米国市場(9月29日)|主要3指数は続落、10年債利回りが重荷となった
29日の米国市場では主要3指数がそろって下落し、NYダウは前日比131.59ポイント安の51,349.92、NASDAQは22.84ポイント安の26,797.54、S&P500は12.85ポイント安の7,670.84で取引を終えました。
株価の重荷となったのが米長期金利の上昇です。米10年債利回りは一時5.293%まで上昇し、2007年6月以来の高水準を記録しました。高金利が長期化すれば企業の資金調達コストが増えるほか、債券の投資妙味が高まることで株式への資金流入が鈍る可能性もあり、金利上昇を警戒した売りが出やすい状況でした。ただ、取引終盤には金利がやや低下したことで株価も下げ幅を縮小し、米10年債利回りは5.255%付近となっています。
経済指標にも景気の先行きを意識させる内容がみられました。8月の米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は前月から25万6,000件減少して707万9,000件となり、市場予想の722万5,000件を下回りました。さらに、米コンファレンス・ボードが発表した9月の消費者信頼感指数は81.9と、8月の88.6から6.7ポイント低下し、およそ12年半ぶりの低水準となっています。金利やエネルギー価格の上昇に加え、今後の景気や雇用環境に対する消費者の慎重姿勢が強まっていることも、景気の先行きへの警戒につながりました。
金融政策をめぐっては、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、追加利上げを判断するまでには経済データを見極める時間があるとの認識を示しました。これを受け、それまで高まっていた10月の追加利上げ観測はやや後退し、CMEの金利先物市場で織り込まれる0.25%以上の利上げ確率は、一時の約70%から約51.5%まで低下しています。一方、FRBのバー理事は追加利上げの必要性を示し、シカゴ連銀のグールズビー総裁もインフレを長期間目標以上に放置することへの警戒感を示しているため、FRB内のインフレに対する慎重姿勢が消えたわけではありません。市場では9月30日に発表される8月のPCE価格指数や、その後の雇用統計を確認しながら、今後の金融政策を見極めようとする動きが続いています。
原油市場では、中東からの原油輸出が回復するとの見方から、WTI原油先物が前日比3.22ドル安の1バレル89.38ドルまで下落しました。サウジアラビアが東西パイプラインの操業再開後、紅海沿岸のヤンブー港から原油積み込みを再開したことなどが供給懸念を和らげています。ただし、米国とイランをめぐる情勢には依然として不透明感があり、トランプ大統領は戦争終結のためにイランへ譲歩を提示したとの報道を否定しました。原油価格の下落はインフレや長期金利への懸念を和らげる材料となる一方、中東情勢によっては再びエネルギー価格が上昇する可能性も残っています。
株式市場の不安心理を示すVIX恐怖指数は16.04と、前日から0.03ポイント低下しました。主要株価指数は下落したもののVIXは上昇しておらず、急激にリスク回避姿勢が強まった状況ではありません。個別株では、AI企業Anthropicが2兆ドルを超える企業価値を目標に新規株式公開を計画していることが注目され、AI関連株への関心が続きました。Metaは3.3%上昇し、好決算を発表したCarMaxも4.7%上昇。一方、Fair Isaacは住宅金融をめぐる価格体系変更への懸念から26.5%下落するなど、企業ごとの材料によって明暗が分かれました。
外国為替市場では、米長期金利が高水準で推移したことを背景にドルが主要通貨に対して強含み、ドル円は1ドル157.30円付近で推移しました。米10年債利回りが5%を上回るなか、日米の金利差がドルを支える材料となっています。ただ、ウィリアムズ総裁の発言によって追加利上げ観測が後退したため、ドル買いの勢いは抑えられました。日本の当局者による為替介入への警戒感も意識されており、米国の金融政策に加えて日本側の対応も、ドル円を左右する要因となりそうです。
米国市場全体のまとめ
1.NYダウ、NASDAQ、S&P500はいずれも下落した。
2.米10年債利回りが一時5.293%まで上昇し、株式市場の重荷となった一日だった。
3.JOLTS求人件数と消費者信頼感指数がともに弱く、米景気の先行きが意識された一日だった。
4.ウィリアムズ総裁の発言を受け、10月の追加利上げ観測がやや後退した一日だった。
5.WTI原油先物が89.38ドルまで下落する一方、中東情勢への警戒は残った一日だった。
日本市場(9月30日)|AI・半導体株から買いが広がり33業種すべて上昇
前夜の米国市場では、ダウ平均が131.59ドル安、NASDAQ総合指数も22.84ポイント安と小幅に続落しました。米10年債利回りが一時5.29%台まで上昇し、金融株や消費関連株を中心に売りが出た一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が追加利上げを急ぐ必要はないとの考えを示したことで、10月の利上げ観測は後退しています。また、原油価格が下落に転じたことも株式市場への圧力を和らげました。
主要指数そのものは下落したものの、半導体関連株には買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は前日比1.32%上昇。この半導体株の強さが日本市場にも波及し、AI・半導体関連を中心に買いが先行するきっかけとなりました。
30日の東京市場では、東京エレクトロンやアドバンテスト、フジクラなど、指数への寄与度が大きい銘柄に資金が向かいました。原油価格の下落や米国の早期利上げ観測がやや後退したことも投資家心理を支え、日経平均は前日比1,272.45円高の66,753.72円で取引を終了。3営業日ぶりの大幅反発となりました。TOPIXも67.52ポイント高の4,108.65ポイントまで上昇しており、一部の大型株だけではなく、市場全体へ買いが広がった一日となっています。
物色の中心はAI・半導体関連だけにとどまらず、非鉄金属、銀行、金属製品などにも広がりました。東証33業種はすべて上昇し、なかでも非鉄金属、銀行業、金属製品が上昇率上位となっています。個別ではソフトバンクグループが6%を超えて上昇し、日経平均を約317円押し上げたほか、東京エレクトロン、アドバンテスト、フジクラ、住友電気工業なども指数上昇に寄与しました。
一方、村田製作所や京セラなど一部の電子部品株には売りが出ており、半導体・電子部品関連が一様に上昇していたわけではありません。太陽誘電とTDKについては、29日に最先端電子部品の共同開発に向けた業務提携を発表したことが材料視されるなど、個別の企業ニュースを手掛かりとした買いもみられました。
東証プライムの売買代金は概算で9兆1,212億円と、4営業日ぶりに9兆円台へ乗せ、売買高も27億6,231万株に達しています。値上がり銘柄は1,127銘柄と全体の7割を超えた一方、値下がりは368銘柄、変わらずは55銘柄でした。
前場では値上がり768銘柄、値下がり726銘柄と拮抗していましたが、その後は買いが市場全体へ広がり、後場になると値上がり銘柄が増加しました。海外投資家による先物買いが入ったとの観測もあり、AI・半導体関連から始まった買いが銀行や素材関連などへ波及したことで、TOPIXも大きく上昇しています。
国内では8月の鉱工業生産指数速報が前月比1.7%低下し、市場予想に反して生産が減少しました。しかし、この日の株式市場では景気指標への警戒より、原油価格の下落や米国の利上げ観測の後退、半導体株への買いが強く意識された形です。また、9月末で実質的に下半期入りとなることから、新たなポジションを構築する投資家の買いが入ったとの市場関係者の指摘もあります。国内金利が低下傾向となったことも株式の相対的な割高感を和らげる材料となり、幅広い銘柄への買いにつながりました。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均は66,753.72円と1,272.45円高、TOPIXは4,108.65ポイントと67.52ポイント高となる大幅上昇だった。
2.米国市場でSOX指数が1.32%上昇し、日本でもAI・半導体関連株への買いにつながった一日だった。
3.非鉄金属、銀行業、金属製品などにも資金が広がり、東証33業種すべてが上昇した一日だった。
4.東証プライムの売買代金が9兆1,212億円まで膨らみ、値上がり銘柄が1,127銘柄に達した買い優勢の一日だった。
5.原油価格の下落や米国の早期利上げ観測の後退、下半期入りに伴うポジション構築の動きも意識された一日だった。
トレード銘柄|新規上場3銘柄をデイトレード
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 621A オーディオストック
株 価: 1,651.0円 → 1,669.0円
約定時間: 09:06:08 → 09:09:49
収 支: +1,800円
狙 い: 売買代金ランキングで上位に入っていたことから、トレード候補として選定しました。 - 625A SKYFALL
株 価: 2,361.0円 → 2,374.0円
約定時間: 09:25:52 → 09:26:42
収 支: +1,300円
狙 い: 前日にストップ高となり、この日もなかなか寄り付かなかったため、買いの強さが続いていると判断してエントリーしました。 - 627A AKIPPA
株 価: 2,141.0円 → 2,177.0円
約定時間: 09:44:16 → 09:56:19
収 支: +3,600円
狙 い: 直近のチャートで株価が上昇基調を続けていたことから、エントリーを判断しました。 - 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,055.0円
数 量: +1口
合 計: 25口

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
株 価: 円
数 量: +株
合 計: 株
売却銘柄
- なし
8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|新規上場銘柄の値動きを見ながら3銘柄をトレード
昨夜の米国市場では主要3指数が下落する一方、SOX指数は上昇していました。ただ、本日の日本市場を見る限り、米国主要指数の下落による影響はそれほど強くなかったように感じます。昨日が9月配当の権利落ち日で下落していたこともあり、その反動による買い戻しも入っていたように見える一日でした。
SOX指数が上昇した流れもあって、半導体関連では実際に上昇している銘柄が多くみられました。しかし、それをそのままデイトレードの対象にできるかと考えると、今年上旬に感じていた半導体関連銘柄の勢いとは明らかに違うようにも感じています。そのため、この日は半導体株にこだわるのではなく、実際の値動きを確認しながらトレード候補を探しました。
最初に選んだのはオーディオストックです。9月16日に新規上場したばかりで売買は活況ですが、新規上場直後の銘柄は値動きが激しいため、上場してからしばらくは様子を見る期間を設けていました。この日も株価は上昇しており、上場直後の熱気を残しながらも、以前より幾分落ち着いてきたように見えたことからエントリーを試みています。
2銘柄目はSKYFALLです。こちらも新規上場したばかりの銘柄ですが、オーディオストックとは状況が異なります。前日にストップ高となり、この日もすぐには値が付かず寄り付かなかったことから、買い圧力は強いと判断しました。そのうえで、寄り付いた直後には一時的な調整が入ると考え、その下落を想定した位置に指値を入れてエントリーしています。
3銘柄目のAKIPPAも新規上場銘柄です。直近では、日を追うごとに株価水準を切り上げながら上昇していました。前回トレードした際には、そのときの水準が高値になるのではないかと考えていましたが、時間軸を広げて見直すと、今回はその水準を明確に上回ったところでの取引となっています。それでも過去のチャートと照らし合わせると、今回トレードした水準が高値ではないと推測し、エントリーを試みました。
結果として、本日のデイトレードは3銘柄すべてが新規上場銘柄となりました。いずれも値動きが激しく、短時間で板の状況が変化する銘柄ではありましたが、その動きを追いながら判断できたのではないかと思っています。
単元未満株では、野村不動産ホールディングスを買い増し銘柄として選定しました。日銀の利上げは不動産業にとって向かい風になり得るものの、業績を見ると今期は営業利益、経常利益こそ横ばいに近い状態ながら増収増益を見込んでいます。また、直近で減配がなく、現在の株価水準では利回りが5%を超えていることから、今回の購入を判断しました。
2026年9月第5週の実現損益
2026年の9月の収支報告楽天証券
デイトレの合計収支(9月28日~9月30日):+16,000円
9月の合計収支:+72,650円
SBI証券
スイングの合計収支(9月28日~9月30日):0円
9月の合計収支:+6,859円
配当・分配金(楽天+SBI):+27,286円
トータル収支:106,795円
▶ 9月第4週 | 9月第3週 | 9月第2週 | 9月第1週
▶ 8月の収支報告 | 7月の収支報告 | 6月の収支報告 | 5月の収支報告 | 4月の収支報告 | 3月の収支報告 | 2月の収支報告 | 1月の収支報告 | 2025年の収支報告
2026年9月のまとめ
楽天証券|相場の変化に合わせた銘柄選定で9月は利益を確保
今月のトレード銘柄を振り返ると、以前は半導体関連銘柄が中心だったのに対し、9月はフィジカルAIや自動運転などに関連する銘柄へ、トレード対象が明らかに移っています。
デイトレードの銘柄を選ぶ際には、前日に大きな動きがあった銘柄に加え、前夜の米国市場、とりわけSOX指数の動きを確認しながら、その日に値動きが出そうな銘柄を探しています。決まったセクターだけを追うのではなく、市場の動きに応じて候補を変えているため、今月のトレード銘柄の変化は、そのときの市場で資金が向かっていた場所をある程度反映したものとも考えられます。
半導体関連銘柄も依然として活況ではあるものの、その周辺に位置する銘柄へ資金が移っているのではないかとも感じました。結果として、その時々の相場に合わせてトレード候補を選んだことで、上昇する場面をうまく捉え、利益につなげられた1か月だったと振り返っています。

現在の楽天証券における年間配当金は87,778円、予想利回りは4.86%となっています。
SBI証券|9月配当銘柄を中心に買い増し、AVANTIAは再調整を検討
SBI証券では、9月配当銘柄を中心に買い増しを行いました。なかでも、株式分割を控えていた三井住友フィナンシャルグループについては、分割後も見据えながら保有株数を増やしています。
AVANTIAについては、以前株価が下落していた際に一部を売却し、その後さらに下落するようであれば買い増すことで、平均取得単価を引き下げることを考えていました。しかし、想定していたほど株価は下がらず、結果として買い戻しを進めたことで、保有株数は売却前と同じ200株まで戻っています。
一方、買い戻した後も株価は大きく上昇することなく、現在は平均取得単価付近を行き来する状態が続いています。そのため、このまま保有を続けるだけではなく、再び一部を売却し、さらに低い株価水準で買い直すことで平均取得単価を引き下げる方法も選択肢として考えています。
SBI証券における年間配当金は154,935円、予想利回りは4.06%となっています。


売買状況は以下の通りです。
▼クリックで売買状況の詳細を表示
| コード | 銘柄名 | 売買数 | 売買理由 |
|---|---|---|---|
| 141A | トライアルHD | +1株 | 成長株としての購入 |
| 2802 | 味の素 | +1株 | テーマ株としての購入 |
| 3231 | 野村不動産ホールディングス | +25株 | 高配当銘柄として購入 |
| 4502 | 武田薬品工業 | +2株 | 高配当銘柄として購入 |
| 5803 | フジクラ | +2株 | テーマ株として購入 |
| 7013 | IHI | +2株 | テーマ株として購入 |
| 7327 | 第四北越フィナンシャルグループ | +6株 | 高配当銘柄として購入 |
| 8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | +3株 | 今後の分割を考慮し購入 |
| 8904 | AVANTIA | +60株 | 高配当株として購入 |
| 5016 | JX金属 | -10株 | 上値が重く、一部投資指針回収のため売却 |
| 8766 | 東京海上ホールディングス | -1株 | NISA口座で買い直すため売却 |

