原油高とFRBの追加利上げ観測が重なるなか、米国株は主要3指数がそろって下落し、その流れを引き継いだ日本市場でも日経平均は2営業日続けて下落しました。ただ、この日の下落をそのまま相場全体の弱さと見るべきなのでしょうか。
前夜の米国市場では、WTI原油先物が高い水準を維持するなか、米10年債利回りも5.234%まで上昇し、10月FOMCでの追加利上げ観測が強まりました。ドル円も157円台で推移し、こうした外部環境への警戒が日本市場にもつながりましたが、9月29日は配当権利落ち日でもあり、日経平均の396.35円安のうち約383円がその影響と試算されています。指数の下落幅だけでは見えにくい、この日の相場の実態を整理していきます。
この記事では、米国市場から日本市場へつながった一日の流れに加え、楽天証券で行ったSKYFALLのデイトレードや積み立て投資、SBI証券での野村不動産ホールディングスの買い増し、そしてその日のトレードを振り返ります。なお、本文に記載している各トレード銘柄の「銘柄名」には、それぞれの銘柄に関する過去の取引記録へ移動できる過去記事リンクを設定しています。日々変わる相場を一緒に整理しながら、自分自身の投資判断も少しずつアップデートしていければと思います。
2026年9月29日の市況|原油高と米長期金利上昇を警戒、日経平均は配当権利落ちも影響
主要指数(9月29日時点)
日経平均:65,481.27(-396.35)
TOPIX:4,041.13(-70.87)
NYダウ:51,481.51(-347.11)
NASDAQ:26,820.38(-248.34)
S&P500:7,683.69(-59.72)
米国市場(9月28日)|原油高と米長期金利上昇で主要3指数が下落
28日の米国市場では主要3指数がそろって下落し、NYダウは51,481.51ドルと前日比347.11ポイント安、NASDAQは26,820.38ポイントと248.34ポイント安、S&P500は7,683.69ポイントと59.72ポイント安で取引を終えました。相場の重荷となったのは原油価格と米長期金利の上昇で、特に金利上昇の影響を受けやすいNASDAQの下げが目立ったほか、S&P500も8月20日以来の大きな下落率となり、前週までの株価上昇から投資家の警戒姿勢がやや強まる展開となっています。
その警戒感はVIX恐怖指数にも表れており、16.07と前日から1.20ポイント上昇しました。依然として極端な警戒水準ではないものの、前週末からは水準を切り上げており、中東情勢に加えて米長期金利の上昇が意識されたことで、投資家がリスクを取りにくくなっていたことがうかがえます。
一方、商品市場ではWTI原油先物が1バレル92.60ドルと前日比0.19ドル高で取引を終えました。トランプ大統領がイラン側から提示された和平案を拒否したことで原油供給への懸念が強まったものの、カタールの仲介によって米国とイランの協議が続くとの見方も広がったため、原油価格の上昇そのものは限定的でした。ただ、価格水準が高い状態は維持されており、株式市場では原油高がインフレ圧力を長引かせる材料として意識されています。
さらに、株式市場への重荷となったのが米長期金利の上昇で、米10年債利回りは5.234%と前日から0.074ポイント上昇し、取引時間中には2007年6月以来の高水準まで上昇する場面もありました。原油価格が高止まりすることでインフレ圧力が再び強まるとの懸念に加え、FRBによる追加利上げ観測も金利上昇につながっており、株式、とりわけ金利上昇の影響を受けやすい成長株にとっては買いを入れにくい環境となっています。
FRBは9月に2023年以来となる利上げを実施していますが、市場では10月のFOMCで少なくとも0.25ポイントの追加利上げが行われる確率が約70%まで上昇しました。加えて、FRBのクック理事もAI関連需要や原油高によるインフレ圧力が今後数カ月続く可能性を指摘しており、こうした発言も高金利が長期化するとの見方を強める材料となっています。
こうした米金利の上昇は為替市場にも影響し、ドル円は1ドル157円台で推移しドルが上昇しています。また、9月のダラス連銀製造業活動指数が9.8と市場予想の7.8を上回ったことも、米国経済の底堅さを示す材料として金利上昇につながりました。ただし、日本政府による円安けん制や為替介入への警戒も残っていたため、ドル円が一方向に上昇する展開にはならず、157円台を中心に神経質な値動きが続きました。
指数全体が下落するなかでも個別株の動きには差があり、NVIDIAは1,500億ドル規模の自社株買い枠を発表したことが好感され、NASDAQが下落するなかで1.6%上昇しました。一方、ボーイングは米連邦航空局が新たに確認されたソフトウェア問題が解決するまで737 MAX 10の認証を延期するとしたことが嫌気されて6.9%下落し、NYダウを大きく押し下げています。さらに、テスラもJPモルガンが第3四半期の納車台数の弱さを理由に目標株価を引き下げたことで3.9%下落しており、この日は原油高と金利上昇という市場全体の材料に加え、企業固有のニュースによっても株価の明暗が分かれました。
米国市場全体のまとめ
1.NYダウ、NASDAQ、S&P500の主要3指数がそろって下落した一日だった。
2.WTI原油先物が92.60ドルまで上昇し、中東情勢と原油供給への懸念が意識された相場だった。
3.米10年債利回りが5.234%まで上昇し、株式の割高感が意識された一日だった。
4.原油高によるインフレ懸念とFRBの追加利上げ観測が金利上昇につながった相場だった。
5.NVIDIAが上昇する一方、ボーイングやテスラが下落するなど個別銘柄の値動きに差が出た一日だった。
日本市場(9月29日)|日経平均396円安も配当権利落ちの影響が大きい
29日の日本市場は、前日の米国市場で原油価格と米長期金利が上昇し、主要3指数がそろって下落した流れを引き継ぐ形で始まりました。原油高によってインフレ圧力が長期化し、FRBが追加利上げに動くとの見方が強まったことで、米国株では幅広い銘柄に売りが出ており、こうした外部環境への警戒が日本市場でも主力株を中心に重荷となりました。
日経平均は前日比396.35円安の65,481.27円で取引を終え、2営業日続けて下落したほか、TOPIXも70.87ポイント安の4,041.13ポイントとなり、日経平均を上回る下落率となりました。ただし、この日は9月末配当の権利落ち日にあたり、ロイター通信によると、市場関係者の試算では日経平均に対する配当権利落ちの影響が約383円ありました。日経平均の実際の下落幅396.35円と比べても、その大部分が配当落ちの影響に相当するため、指数の数字だけを見るほど実質的な売り圧力が強かったわけではなかったと考えられます。
東証プライムの売買代金は7兆3,224億800万円となり、値上がり銘柄は170銘柄、値下がり銘柄は1,318銘柄、変わらずは21銘柄でした。値下がり銘柄が全体の約85%を占める結果となりましたが、この中には9月末の配当権利落ちによって機械的に株価が下落した銘柄も多く含まれているため、値下がり銘柄数の多さだけを見て市場全体に強い売りが広がったと判断するには注意が必要です。また、翌日に9月中間期末の最終日を控えていたことから、機関投資家などが新たなポジションを取りにくい状況でもあり、積極的な売買は手控えられました。
業種別では東証33業種のうち16業種が上昇し、17業種が下落しており、海運業、鉱業、保険業などが上昇した一方で、その他製品、精密機器、医薬品などは下落しました。原油価格が高い水準を維持していることから資源関連の一角には買いが入りましたが、その一方で金利上昇への警戒が続いているため、成長株や高PER銘柄には資金を入れにくい状況が続いています。指数そのものは大きく下落したものの、33業種のうち16業種が上昇していることを考えると、全面的なリスク回避というよりも、配当権利落ちの影響と個別材料が同時に表れた相場だったとみられます。
主要銘柄ではソフトバンクグループやアドバンテストが下落し、日経平均を押し下げましたが、なかでもソフトバンクグループは指数寄与度が大きいため、日経平均への影響が目立ちました。その一方、同じ半導体関連でもレーザーテックは上昇し、ファーストリテイリングも買われていることから、主力株全体が一方向に売られたわけではありません。前日の米国市場でもNVIDIAが1.6%上昇しており、日本市場でも半導体関連を含めて個別銘柄ごとの差が表れた一日となりました。
この日の日本市場を振り返るうえでは、原油価格や国内外の金利上昇といった外部環境への警戒だけでなく、9月末の配当権利落ちを切り分けて見る必要があります。市場関係者からは、配当権利落ち分を除けば目立った下落要因は乏しいとの見方も出ており、日経平均が396.35円下落したという数字だけで相場全体の弱さを判断するよりも、そのうち約383円が配当落ちの影響だったことを踏まえて捉えたほうが、この日の市場の実態に近そうです。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均は396.35円安の65,481.27円、TOPIXは70.87ポイント安の4,041.13ポイントで取引を終えた一日だった。
2.日経平均には約383円の配当権利落ちの影響があり、指数の下落幅の大部分を占めた一日だった。
3.東証プライムでは値下がり銘柄が約85%を占めたものの、配当権利落ちによる機械的な下落も含まれていた一日だった。
4.海運業、鉱業、保険業などが上昇し、33業種中16業種が値上がりした一日だった。
5.米国市場から続く原油高と金利上昇への警戒に加え、配当権利落ちと個別材料が入り交じった相場だった。
トレード銘柄|SKYFALLをデイトレ、ヒューリックと野村不動産HDを買い増し
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 625A SKYFALL
株 価: 1,746.0円 → 1,763.0円
約定時間: 09:05:04 → 09:09:37
収 支: +1,700円
狙 い: 新規上場したばかりで流動性が高かったことから、デイトレードの対象としてエントリーしました。 - 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,050.0円
数 量: +1口
合 計: 25口
NISA口座
- 3003 ヒューリック
株 価: 1,718.0円
数 量: +5株
合 計: 10株

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 3231 野村不動産ホールディングス
株 価: 877.9円
数 量: +10株
合 計: 80株
売却銘柄
- なし
8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|短時間で終えたSKYFALLと配当権利落ち日の買い増し
本日は私用でトレードできる時間が限られていたため、SKYFALLをデイトレードの対象とし、エントリーから約4分半でイグジットしました。売買そのものは問題なく進めることができ、結果として1,700円の利益で取引を終えていますが、その後SKYFALLはストップ高まで上昇しています。
もちろん、今回は限られた時間の中でトレードしていたため、短時間で利益を確定したこと自体に問題があったわけではありません。ただ、新規上場直後で流動性が高い銘柄を選ぶのであれば、最初から短時間で完結させる銘柄として扱うのか、それとも値動きを見ながらある程度時間をかけて保有するのかまで含めて、銘柄選定の段階で考える必要がありそうです。
一方、単元未満株については、この日が9月の配当権利落ち日だったことからポートフォリオ全体が大きく下落しており、その中から含み損となっている銘柄で、なおかつ高配当株でもある野村不動産ホールディングスを選び、10株を買い増しました。

