日経平均が上昇しているのに、TOPIXは下落する――9月24日の日本市場は、指数だけを見ていると相場全体の強さを読み違えやすい一日となりました。実際には、AI・半導体関連の値がさ株へ資金が集中し、その上昇が日経平均を押し上げる一方、東証プライムでは値下がり銘柄のほうが多く、市場全体では弱さも残っています。
直前の米国市場では、PMIの上振れや米5年債入札の低調な結果から米10年債利回りが5.116%まで上昇し、NASDAQを中心に主要3指数が下落しました。ただ、日本市場がシルバーウィークで休場していた期間を通して見ると、米半導体関連株は連休前を上回る水準まで上昇しており、その流れがアドバンテストやイビデン、東京エレクトロンなどへの買いにつながりました。私は楽天証券でテクニスコと住友電工を利益確定し、ブレインズテクノロジーは200株を持ち越しています。
この記事では、米国の長期金利上昇とAI・半導体株の動きが日本市場へどうつながったのか、日経平均とTOPIXが逆方向へ動いた理由、そして実際のデイトレードを振り返ります。本文に記載しているトレード銘柄の「銘柄名」には、それぞれ過去の取引記録へ移動できる記事リンクを設定しています。指数の上昇だけに目を向けず、市場内部の強弱と自分の売買を照らし合わせながら、今後の投資判断を一緒に整理していければと思います。
2026年9月24日の市況|米長期金利上昇とAI・半導体株への資金集中で明暗
主要指数(9月24日時点)
日経平均:65,513.99(+495.04)
TOPIX:4,075.30(-15.84)
NYダウ:51,511.59(-352.10)
NASDAQ:26,936.03(-308.24)
S&P500:7,706.03(-58.61)
米国市場(9月23日)|長期金利上昇で主要3指数がそろって下落
23日の米国市場は、NYダウ、S&P500、NASDAQの主要3指数がそろって下落しました。NYダウは前日比352.10ポイント安の51,511.59ドル、S&P500は58.61ポイント安の7,706.03、NASDAQは308.24ポイント安の26,936.03となり、なかでもハイテク株の比率が高いNASDAQの下げが目立ちました。
前日までNASDAQはAI関連株への期待から最高値圏で推移していましたが、この日は米長期金利の急上昇が重荷となり、利益確定売りも広がりました。米10年債利回りは前日から0.149ポイント上昇して5.116%となり、取引中には2007年以来の高水準を記録。5年債利回りも5%台まで上昇しています。この日実施された米5年債入札の需要が弱かったことも債券売りにつながり、金利を押し上げました。
一般的に国債利回りが上昇すると、安全資産とされる債券でも高い利回りを得られるようになるため、株式、とくに将来の成長期待を高く織り込んだグロース株の相対的な魅力が低下しやすくなります。また、将来利益を現在価値へ割り引く際の影響も大きくなるため、ハイテク株は金利上昇に敏感に反応する場合があります。今回は米10年債利回りが5%を超える水準まで上昇したことで、AI関連への期待が続く中でもハイテク株に利益確定売りが出ました。
金利上昇の背景には、米国経済の強さを示す指標もありました。S&Pグローバルが発表した9月の米総合PMI速報値は58.4と、8月の56.0から上昇し、2021年7月以来の高水準となっています。製造業PMI速報値は57.0と市場予想の53.7を上回り、サービス業PMI速報値も58.7と予想の55.8を上回りました。
その一方、企業の仕入れ価格指数は66.4まで上昇し、2022年10月以来の高水準となっています。景気の強さだけでなくインフレ圧力の再加速も意識され、FRBのマイケル・バー理事も、インフレ率が目標を上回っていることから追加利上げが必要になる可能性へ言及しました。市場では10月FOMCで追加利上げが行われるとの見方が強まり、VIX指数も0.97ポイント高の15.18となっています。
原油市場では、中東情勢を巡る不透明感からWTI原油先物が前日比0.10ドル高の1バレル92.25ドルで終了しました。イランのペゼシュキアン大統領は国連総会で、米国の圧力には屈しない姿勢を示す一方、外交による解決の可能性は残す考えも示しています。前日にはトランプ米大統領もイランに強硬な発言をしており、協議への期待と対立長期化への警戒が入り混じる状況です。
原油価格の上昇はエネルギー関連企業には追い風となる場合がありますが、燃料費や輸送コストを通じて幅広い企業の負担を増やし、インフレ圧力を高める要因にもなります。今回は原油価格の高止まりと強い経済指標が重なったことで、追加利上げへの警戒を強める材料としても意識されました。
為替市場では米金利上昇からドル買いが優勢となり、ドル円は158.25円で取引を終えています。米PMIの上振れやFRBの追加利上げ観測、米5年債入札の低調な結果を通じて米国債利回りが上昇し、ドルを押し上げました。ただ、158円台では日本当局による円安是正介入への警戒もあり、ドル円の上昇には一定の歯止めがかかっています。
個別ではAlphabetが3.8%安、Amazonが2.2%安、NVIDIAが1.5%安となる一方、Meta Platformsは1%上昇しており、AI関連株すべてに売りが広がったわけではありません。S&P500の11業種では9業種が下落し、原油高からエネルギー関連が相対的に堅調だった一方、公益やコミュニケーション・サービスなどには売りが目立ちました。
米国市場全体のまとめ|PMI上振れと金利上昇がハイテク株の重荷
1.NYダウ、S&P500、NASDAQがそろって下落し、とくにNASDAQの下げが大きくなった。
2.米10年債利回りは5.116%まで上昇し、ハイテク株を中心に利益確定売りが広がった。
3.9月PMIが市場予想を上回る一方、仕入れ価格指数も上昇し、インフレへの警戒が強まった。
4.FRBによる追加利上げ観測が強まり、米金利上昇とドル高が同時に進んだ。
5.WTI原油先物は92.25ドルまで上昇し、エネルギー関連株は相対的に堅調だった。
日本市場(9月24日)|半導体株が日経平均を押し上げる一方、TOPIXは下落
シルバーウィーク中の米国市場ではAI・半導体関連株への買いが目立っていましたが、23日は強い経済指標と米長期金利の上昇から主要指数が下落しました。ただ、日本市場が休場していた期間全体で見ると、米半導体関連株は連休前を上回る水準まで上昇しており、24日の日本市場では直前の米国株安よりも、連休中に積み上がった半導体株高が強く意識されました。
その結果、アドバンテスト、イビデン、東京エレクトロンなどAI・半導体関連株へ買いが集中し、日経平均は前営業日比495.04円高の65,513.99円と4営業日続伸しました。一方、TOPIXは15.84ポイント安の4,075.30となり、日経平均とは反対方向で取引を終えています。
このねじれを生んだ大きな要因が、日経平均への寄与度が高い値がさ株の上昇です。アドバンテストだけで日経平均を約243.77円、イビデンが約191.08円、東京エレクトロンが約81.46円押し上げました。一部のAI・半導体関連株だけで指数を大きく押し上げており、日経平均の495円高ほど市場全体が強かったわけではありません。
実際、東証プライム市場の売買代金は概算9兆2,038億円、売買高は24億9,306万株となりましたが、値上がり674銘柄に対して値下がりは838銘柄、変わらずは42銘柄でした。日経平均は上昇したものの、値下がり銘柄のほうが多く、TOPIXの下落とも整合する内容です。
業種別ではゴム製品、精密機器、電気機器などが上昇上位となり、半導体や電子部品に関連する銘柄への資金流入が目立ちました。その一方、サービス業や電気・ガス業、保険業などは下落上位となり、物色には明確な偏りが見られています。
国内では金利上昇も幅広い銘柄の重荷となりました。新発10年国債利回りは一時3.075%まで上昇し、1996年8月以来およそ30年ぶりの高水準となっています。日銀は9月18日の金融政策決定会合で政策金利を1.00%程度から1.25%程度へ引き上げており、24日から新たな金利水準が適用されました。
一般的に金利が上昇すると、借入を多く利用する企業では資金調達コストが増えやすくなるほか、株式全体の評価にも影響する場合があります。その一方、銀行など一部の金融機関では金利上昇が収益改善につながるケースもあり、同じ金利上昇でも業種によって影響は異なります。今回はAI・半導体株への買いが日経平均を支える一方、TOPIXや東証プライム全体では国内金利上昇の影響がより強く表れました。
個別材料では、住友電気工業がMetaなどと海底ケーブルシステム「Petal」の構築に向けて協業すると発表し、買い材料となりました。ソシオネクストやウシオ電機も大きく上昇し、半導体・電子部品関連への資金集中を象徴する動きとなっています。一方、アドバンスクリエイトは今期の最終損益が赤字継続となる見通しを示したことで急落しました。
指数だけを見ると堅調な一日に見えますが、実際にはAI・半導体関連株へ買いが集中する一方、幅広い銘柄には売りが出ています。日経平均とTOPIXが逆方向へ動いたことからも、指数の数字だけではなく、値上がり・値下がり銘柄数や資金が向かっている業種まで確認する必要がある相場でした。
日本市場全体のまとめ|日経平均上昇の裏で値下がり銘柄が優勢
1.日経平均は495.04円高の65,513.99円まで上昇した一方、TOPIXは15.84ポイント下落した。
2.アドバンテスト、イビデン、東京エレクトロンなどAI・半導体関連株への買いが日経平均を押し上げた。
3.東証プライムでは値下がり838銘柄が値上がり674銘柄を上回り、市場全体では売りが優勢となった。
4.新発10年国債利回りは一時3.075%まで上昇し、国内金利上昇が幅広い銘柄の重荷となった。
5.住友電気工業の海底ケーブル協業など個別材料もあり、半導体・電子部品関連への資金流入が目立った。
トレード銘柄|テクニスコと住友電工で利益、ブレインズテクノロジーは持ち越し
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 2962 テクニスコ
株 価: 2,301.0円 → 2,349.0円
約定時間: 09:06:01 → 09:19:55
収 支: +4,800円
狙 い: データセンターの通信装置向け高機能ヒートシンク部品で大口受注を獲得し、前営業日にストップ高となっていました。この日も引き続き活発な値動きが見られたため、その勢いを狙ってエントリーしました。 - 5802 住友電工
株 価: 2,203.5円 → 2,209.5円
約定時間: 09:29:59 → 09:32:10
収 支: +600円
狙 い: 古河電工は軟調だったものの、フジクラが上昇しており、住友電工にも連れ高の動きが確認できたためエントリーしました。 - 4075 ブレインズテクノロジー
数 量: 200株
株 価: 1,651.0円、1,553.0円
約定時間: 09:47:26、10:38:19
狙 い: 前営業日に続いて値動きが見られたことからエントリーしました。買い圧力は確認できたものの、特定の価格帯では売り圧力も強く、当日中には利益確定できず持ち越しています。 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,290.0円
数 量: +2口
合 計: 304口

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- なし
売却銘柄
- なし
8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|2銘柄で利益を確保するもブレインズテクノロジーを持ち越し
シルバーウィークが終わり、日本市場は約1週間ぶりの取引となりました。休場期間中も原油高や米長期金利の上昇など不安材料は残っており、久しぶりの相場ということもあって慎重に見ていましたが、デイトレードではテクニスコと住友電工で利益を確保することができました。
テクニスコは前営業日のストップ高から引き続き値動きが活発で、その勢いを狙ってエントリーしました。2,301.0円で買い、2,349.0円で売却して+4,800円となり、上昇の流れを利益につなげることができています。住友電工についても、古河電工が弱い中でフジクラが上昇しており、同じ電線関連である住友電工にも連れ高の動きが確認できたためエントリーしました。こちらは短時間で+600円を確保し、深追いせず取引を終えています。
一方、ブレインズテクノロジーは前営業日に続く値動きを見てエントリーしましたが、買い圧力がある反面、特定の価格帯では売り圧力も強く、当日中の利益確定には至りませんでした。1,651.0円と1,553.0円で合計200株を購入し、そのまま持ち越しています。出来高は前営業日から若干減少しているものの、現時点では急激に細っているわけではないため、明日以降の値動きを確認しながら売却を考えていきます。
SBI証券では、この日は買い増しも売却も行いませんでした。日経平均は495円高となったものの、私のポートフォリオではTOPIXに近い動きとなり、保有銘柄の多くが下落しています。ただ、特定の銘柄だけが大きく売られたというより、全体的にまんべんなく下落していたため、この日の値動きだけを理由に買い増したいと判断できる銘柄は見つかりませんでした。
先週購入した四季報からは、新たな買い候補になりそうな銘柄をいくつかピックアップできています。すでに保有している銘柄を機械的に買い増すのではなく、新規候補も含めながら手元資金とのバランスを考え、今後の買い付けを進めていく予定です。
2026年9月第4週の実現損益
2026年の9月の収支報告楽天証券
デイトレの合計収支(9月24日):+5,400円
9月の合計収支:+56,650円
SBI証券
スイングの合計収支(9月24日):0円
9月の合計収支:+6,859円
配当・分配金(楽天+SBI):0円
トータル収支:+63,509円
▶ 9月第3週 | 9月第2週 | 9月第1週
▶ 8月の収支報告 | 7月の収支報告 | 6月の収支報告 | 5月の収支報告 | 4月の収支報告 | 3月の収支報告 | 2月の収支報告 | 1月の収支報告 | 2025年の収支報告


