今日の日経平均は2,500円を超える激しい下げに見舞われ、画面の前で思わず息をのんだ方も多かったのではないでしょうか。前夜の米国市場では、地政学リスクが和らいだことで原油価格が下がり、序盤こそ買いが先行する展開でした。しかし、中国企業の大型上場に端を発した将来的な競合懸念や、主要企業の決算発表を目前に控えた利益確定売りが重なり、半導体株を中心に売り圧力が一気に強まりました。この流れがそのままアジアや日本市場へも波及し、ハイテク関連株を中心に全面安の厳しい相場環境を作り出しています。
この記事では、米国市場から日本市場へ至る一日の市場の流れを振り返りつつ、楽天証券でのスイングトレードやSBI証券での高配当株投資における実際の売買動向を詳しくお伝えしています。このような荒れ相場でどのようなリスク管理を行い、手仕舞いや静観の判断を下したのか、トレードの思考プロセスを具体的にまとめました。なお、本文内に登場する各トレード銘柄の銘柄名には、それぞれの銘柄について過去に売買した際の記録へ直接アクセスできる過去記事リンクを設定しています。これまでの取引の経緯や相場観の変化もスムーズに確認していただけます。
急な相場変化に翻弄されず、次の一手をどう打つべきか悩んでいる方にとって、少しでも立ち回りの参考になれば幸いです。相場の波を一つずつ冷静に読み解きながら、投資家としてともにステップアップしていきましょう。
2026年7月28日の市況|半導体セクターの急落と複合的なリスク要因の重なり
主要指数(7月28日時点)
日経平均:62,364.92(-2,566.27)
TOPIX:3,963.59(-102.48)
NYダウ:52,210.08(+262.83)
NASDAQ:24,932.08(-43.74)
S&P500:7,413.18(+1.20)
米国市場(7月27日)
27日の米国市場は、前週末に報じられた中東情勢を巡る地政学リスクの和らぎを受けて、買いが先行するスタートとなりました。しかしながら、その後はハイテク株を中心に利益確定の売りに押される展開となっています。今週は大型IT企業や主要な半導体関連銘柄の決算発表が相次ぐため、内容を見極めたいという投資家の慎重な姿勢が市場全体に広がりました。
NYダウは前日比で262.83ポイント高の52,210.08ポイントと反発して取引を終えたものの、ハイテク株の割合が高いNASDAQは前日比で43.74ポイント安の24,932.08ポイント、S&P500は前日比で1.20ポイント高の7,413.18ポイントとなり、主要指数の間で明暗が分かれる結果となっています。個別銘柄ではセールスフォースなどに買いが集まった一方で、エヌビディアをはじめとするAIや半導体関連株の下落がNASDAQの上値を重くする要因となりました。
主要な指数以外の動きを見ていくと、代表的な半導体銘柄で構成されるSOX指数が前日比で264.00ポイント安の11,554.90ポイントと大幅に下落し、市場全体の心理的な重石となりました。また、投資家の不安心理を示すVIX恐怖指数は0.09ポイント上昇の18.67ポイントとなり、市場の警戒感は依然として残っている印象です。
エネルギー市場では、緊張緩和に伴って売りが優勢となり、WTI原油先物が6.70ドル安の82.61ドルまで推移しました。金利市場では、米10年債利回りが0.041%低下して4.645%となり、利回りの低下に伴って債券を買う動きが見られています。為替市場においてはドル円が163円台後半で推移しており、日米の金利差が続くことを見越したドル買い・円売りの流れが観測されました。
週末の大きな動きとしては、米国とイランの間で一時的に戦闘が停止したという報道が市場に強い影響を与えました。これにより、供給懸念から高騰していた原油先物価格が大きく下落へ転じ、投資家心理の改善につながっています。あわせて週末に発表された経済指標では、景気の底堅さを維持しながらもインフレ圧力が着実に和らいでいることが示され、FRBによる金融政策の正常化への期待が市場の下支えとして機能しました。不安要素が和らいだことで、これまでリスクを避けていた資金が株式市場へ戻る動きも一部で見られています。
その一方で、中国の半導体メモリ大手であるCXMTが上海市場へ大型上場を果たし、約81億ドル規模の資金調達を行ったことが半導体セクターに影響を与えた一つのきっかけとして受け止められています。この巨額資金が設備投資へ投じられることで、将来的なサプライチェーンでの競争激化や自給化が進むのではないかとの懸念が浮上しました。もっとも、背景には大手IT企業の決算発表を直前に控えた高値警戒感や短期的なポジション調整も重なっており、エヌビディアなどAI・半導体銘柄には複数の需給リスクが重なる形となりました。これらが複合的な要因となり、SOX指数の大幅下落に代表されるような短期資金の利益確定売りを誘発したと考えられます。
米国市場全体のまとめ
1.NYダウとS&P500が上昇する一方でNASDAQやSOX指数は下落するなど主要指数は高安まちまちの展開だった。
2.米国とイランの一時的な戦闘停止報道を受け中東情勢の緊張感が和らいだ。
3.原油先物価格が大幅に値下がりしたことで投資家の不安心理が和らぎ取引序盤の買いにつながった。
4.中国CXMTの上海上場に伴う将来の競合懸念や決算前の高値警戒感が重なり半導体株に利益確定売りが広がった。
5.経済指標でインフレ減速が確認されたことでFRBによる金融政策正常化への期待が市場を支えた。
日本市場(7月28日)
中国の半導体メモリ大手であるCXMTの上海市場への新規上場などを背景に、今後の半導体サプライチェーンにおける競争激化や、中国国内での自給化推進に対する警戒感が広がりました。また、それ以上に主要銘柄の決算通過を見極めたいという投資家心理も重なり、半導体関連銘柄で構成されるSOX指数やハイテク株比率の高いNASDAQ指数が急落する展開となっています。米国市場でハイテクや半導体セクターへの売り圧力が強まった流れを受け、本日の日本市場でも取引開始直後から半導体関連の大型株を中心に売り注文が重なる格好となりました。
本日の日本市場において、日経平均はスタート直後から下落幅を大きく広げる厳しい展開となりました。日中の取引でも買い戻しの動きは限られており、終始重苦しい推移が続いています。最終的に日経平均の終値は前日比2,566.27円安の62,364.92円となり、非常に大きな下げ幅を記録しました。また、幅広い銘柄の動きを示すTOPIXも同様に売りが先行する展開となり、終値は前日比102.48ポイント安の3,963.59ポイントでこの日の取引を終えています。
東証プライム市場の動向を見ますと、全体の8割を超える銘柄が下落する全面安の様相となり、値下がり銘柄数が圧倒的多数を占める結果となりました。一方で売買代金は、リスク回避やポジション調整のための売りが膨らんだことで高い水準を記録しています。セクター別では、電気機器や精密機器といったハイテク関連をはじめ、機械や化学など世界景気の動向に影響を受けやすいセクターが軒並み大幅安となりました。特に、主要な半導体製造装置メーカーが激しく売り込まれ、市場全体の押し下げ要因として大きく作用したことがうかがえます。
さらに、こうしたAIや半導体市場を揺るがす激しい売り圧力は日本国内にとどまらず、アジア市場全域へ急速に広がっていきました。韓国市場のKOSPIでは取引時間中に売りのサイドカーが発動された後も下落に歯止めがかからず、サーキットブレーカーが発動されるなど、市場全体がパニック的な売りに包まれる事態となっています。需給構造の変化に対する懸念に加え、過熱感のあった市場全体での利益確定売りが複合的に重なったことで、AI・半導体関連市場全体に冷や水が浴びせられる形となりました。投資家のリスクを避ける姿勢が一段と強まった一日と言えそうです。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均は前日比2,566.27円安の62,364.92円となりTOPIXとともに大幅に反落した。
2.中国CXMT上場への警戒感や高値警戒感が重なり米国でSOX指数が急落し日本市場の寄り付きにも影響した。
3.東証プライム市場では値下がり銘柄が全体の8割を超え主要な半導体株に売りが集中した。
4.韓国市場のKOSPIでサーキットブレーカーが発動されるなどアジア市場全体へ激しい売りが波及した。
5.先行き不透明感からリスク回避目的の売りが膨らみ東証プライムの売買代金が高水準となった。
トレード銘柄|相場急変時に実践した個別選択
楽天証券|スイングトレードと積み立て投資
特定口座
- 4661 オリエンタルランド
株 価: 2,801.5円 → 2,864.0円
約定時間: 7月21日 09:16:16 → 7月28日 09:04:55
収 支: +6,250円
狙 い: チャートの形状がきれいであった為、7月30日の決算発表までを保有期限としてエントリーていた。 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,267.5円
数 量: +2口
合 計: 293口

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 2802 味の素
株 価: 4,856.0円
数 量: +1株
合 計: 4株 - 5803 フジクラ
株 価: 4,040.0円
数 量: +1株
合 計: 16株 - 7013 IHI
株 価: 2,773.0円
数 量: +1株
合 計: 20株 - 7327 第四北越フィナンシャルグループ
株 価: 2,348.0円
数 量: +1株
合 計: 27株
売却銘柄
- 9757 船井総研ホールディングス
株 価: 1,141.0円
数 量: -100株
合 計: 0株
売却理由: 配当目的で購入していましたが、配当権利を獲得した後にキャピタルゲインも狙える状態となりました。しかし過去の株価チャートから見ると上値は1,200円から1,300円程度が妥当だろうと推測しています。直近で軟調な動きをしていることもあり、いったん売却して再度エントリーポイントを考えてみる必要があると判断しました。

ポートフォリオ内の決算銘柄
- 3003 ヒューリック
上期経常利益は前年同期比6%増益で順調に着地しました。同社ならではの安定した収益構造が強みであり、年間配当は67円予想となっています。さらに、18期連続増配を見込む2029年に向けて配当性向を45%まで引き上げることが公表されており、株主還元姿勢も極めて魅力的です。こうしたインカムゲインと事業の安定性を評価し、今後も継続して保有していく方針です。 - 9697 カプコン
4-6月期(1Q)の経常利益は前年同期比81%増益と大幅な伸ばしを見せて着地しました。『BIOHAZARD REQUIEM』や新規IPの『プラグマタ』をはじめ、過去の旧作タイトルにおいても販売動向は引き続き好調に推移しているようです。足元ではIP関連銘柄全体が軟調な相場環境にありますが、同社のように強力かつグローバルに通用するIPを多数保持している強みは揺らぎません。現在の地合いの悪さはむしろ好機と捉え、既存ポジションの保有継続はもちろんのこと、タイミングを見極めた買い増しも前向きに検討したいと考えています。
6月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|相場急変時の見送り判断と柔軟な撤退戦略
昨夜のSOX指数の下落や、CXMTの上海上場に伴う話題など様々な要因が複合的に影響し、本日の日本市場へもその波及効果が色濃く出てしまいました。普段追っている監視銘柄や売買代金の上位を見渡しても、軒並み下落しているような非常に厳しい状況です。一部には上昇している銘柄も見受けられますが、あまり手掛けたことのない銘柄であったり、板が薄くスカスカだったり、チャートの形状に隙間が空いているなど、リスクをとって飛び込むには相応の勇気が必要な相場環境だと感じます。そのため、本日のデイトレードは無理をせず見送るのが賢明だと判断し、取引自体を控えました。
売却したオリエンタルランドについては、もともと7月30日の決算発表までを保有期限と定めて取り組んでいました。たしかに買い付け直後は一時的な下落に見舞われる場面もありましたが、直近では順調に上昇してくれていました。ただ、足元での半導体市場の急落やその煽りを受ける可能性も否定できず、明日以降も株価が上がり続けるという保証はありません。含み益がしっかり残っているうちに素直に利益確定で撤退できたのは良かったと考えています。
また、SBI証券で保有していた船井総研ホールディングスについては、本来は配当狙いで保有していた銘柄でした。自分の中の出口戦略としては、配当金の10年分に相当するキャピタルゲインが得られたら売却しようと考えていましたが、チャートの形状を見る限り株価の上昇余地はやや限られている印象を受けます。そのため、当初想定していた出口戦略を一度見直し、地政学リスクによる先行き不透明感や、直近の株価が横ばいに近い推移にとどまっている点、資金が固定化されることによる他銘柄への投資機会の損失などを総合的に考慮した結果、今回の売却に至りました。市場の環境に合わせて柔軟に対応できたと思います。
