10月17日は、米国に端を発した金融セクターへの信用懸念が国内市場にも波及し、日経平均は大幅に反落しました。特に銀行・保険株が重荷となり、指数の下落を牽引しました。一方で、下落局面の中で「押し目買いチャンス」を探る動きも並行し、慎重ながらも攻めの姿勢を崩さない投資家の思惑が交錯する展開となりました。本稿では、こうした難局の中で「含み損・含み益を抱えた銘柄をどう扱うか」に焦点を当て、あなたの保有株が取得単価を上げてきたとしても押し目買いを検討できる理由を整理します。
2025年10月17日の市況|米地銀発の信用不安が金融株を直撃
主要指数(10月17日時点)
日経平均:27,582.15(-695.59)
TOPIX:3,170.44(-32.98)
NYダウ:25,952.24(-301.07)
NASDAQ:22,562.54(-88.12)
S&P500:6,629.07(-41.99)
米国市場(10月16日)
10月16日の米国株式市場は軟調な展開に終始。NYダウ、NASDAQ、S&P500 のすべてが下落しました。特に注目されたのは、地域銀行を中心とした「貸出先の信用リスク」に対する懸念の広がりです。
銀行部門に広がった警戒感:なぜ「銀行」が話題に?
- ザイオンズ・バンコープの損失引当計上
子会社を通じて融資先2件に対し、5,000万ドルの貸倒引当金を計上。借り手の虚偽表示や契約違反の可能性も示され、市場の緊張を高めました。 - ウェスタン・アライアンス・バンコープの訴訟発表
ある借り手を詐欺容疑で訴訟する意向を表明。信用不安の波及が懸念されました。 - 見えにくい信用リスクへの警戒
個別の問題と切り離せず、「他にも隠れた不良債権があるのでは?」という疑念を投資家に芽生えさせました。投資界隈ではしばしば「ゴキブリが1匹いたら…」という表現が使われ、信用不安への警戒感の広がりぶりを象徴しています。 - 銀行セクター比率の下落と指数への波及
銀行株・金融株の売りが加速し、指数全体の下げを拡大させました。金融セクターの比率が大きい指数では、下落方向への重しになったのは明白です。
なぜこの動きが見逃せないか?
- システムリスクへの警戒再燃
地方銀行や中堅銀行の信用不安がシステム全体に波及した事例は過去にもあり、投資家心理に影を落とします。特に、2023年のシリコンバレーバンク破綻が記憶に残っているだけに、警戒は根深いものがあります。 - 隠れた不良債権問題の可能性
オフバランス取引や複雑な契約構造を通じて、帳簿上は見えにくい貸倒リスクが潜んでいる可能性があります。 - 連鎖反応の可能性
銀行 → 債券市場 → 信用コスト上昇 → レバレッジ/資金調達コストの逆風、という流れが現実味を帯びると、連鎖反応で市場全体を押し下げる恐れがあります。 - 政策対応の見極め
FRB・規制当局が流動性支援や規制強化に動くかどうかは、不安心理の抑制に直結します。
投資視点での整理:押さえておきたいポイント
- 個別銀行株の選別が重要
銀行というくくりで全部がダメ、というわけではなく、貸出先ポートフォリオの質、資本余裕、リスク管理体制の強さがカギ。 - セクターETFや銀行指数への投資は慎重に
指数の金融比率が高い銘柄バスケットは、銀行ショックをまともに受けやすい。 - リスクオフ時の防御策も視野に
債券、金(ゴールド)、現金ポジションなどの手当てがあれば、不意の下落に備えやすい。 - 政策対応・規制動向をチェック
金融政策、銀行監督の変更、資本規制強化の動き等は市場センチメントを大きく動かす可能性がある。
日本市場(10月17日)
10月17日の東京市場は、米国で炙り出された銀行・信用懸念がそのまま波及。加えて、国内政局の不透明感も空気を重くしました。結果、日経平均は前日比695円安の27,582円へと3日ぶりに大幅反落。TOPIXも32ポイント安と軟調推移です。
金融株が特に打たれ、三菱UFJ、三井住友、みずほなどのメガバンクは軒並み下落。保険株(東京海上、SOMPOなど)も売られ、指数の重荷となりました。これらは、米地銀の信用懸念報道と為替の円高、さらには国内政策不透明感が複合的に作用した結果と言えます。
ただし、食品・小売などの内需系銘柄には一部買いが入り、下げ幅を抑える動きも見られました。しかし指数全体を牽引する力には至りませんでした。
トレード銘柄|含み損銘柄を中心に段階的買い増しを実施
楽天証券|積み立て投資
- 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,128.0
数 量: +2口
合 計: 72口
SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 2146 UTグループ +1株(合計14株)
- 2768 双日 +1株(合計2株)
- 4208 UBE +1株(合計28株)
- 4996 クミアイ化学工業 +5株(合計95株)
- 7272 ヤマハ発動機 +2株(合計151株)
売却銘柄
- なし
反省点|取得単価へのこだわりと機会損失のバランスを再考
本日の買い増しは、いつも通り含み損となっている銘柄を中心に実施しました。業種別ランキングでは銀行業や保険業が下落しており、これらのセクターへの追加投資も検討しましたが、該当する保有銘柄は現在含み益の状態にあるため、取得単価の上昇リスクを考慮し、買い増しは見送りました。安値での取得を意識しているため、慎重な判断が求められる局面です。
ただし、含み益銘柄に対しても、以下の条件を満たす場合には取得単価の上昇を許容して買い増しを行う選択肢も視野に入れています
含み益銘柄への買い増し判断ポイント
- テクニカル指標が再上昇を示している場合
MACDのゴールデンクロスやRSIの反発など、短期的な上昇トレンドが確認できる場合は、取得単価の上昇を許容してでもポジションを強化する意義があります。 - 中長期の成長ストーリーが崩れていない場合
一時的な調整であっても、業績や配当成長が継続している銘柄であれば平均取得単価の上昇よりも将来的なリターンの最大化を優先します。 - ポートフォリオ内でのバランス調整が必要な場合
セクター間の偏りや、リスク分散の観点から特定銘柄の比率を高める必要がある場合は、取得単価にこだわり過ぎず、戦略的な買い増しを行います。 - 心理的な快適さよりも機会損失の回避を優先する局面
安値覚えによる買い控えが、結果的に上昇トレンドを逃すリスクとなる場合は、段階的な買い増しで対応することで心理的負担を軽減しつつ機動力を確保します。
買い増しタイミングの目安
details table thead tr th { background-color: #eefaff !important; color: #000000 !important; } details summary .arrow { color: red;タイミング | 判断材料 | アクション |
---|---|---|
押し目形成 | 直近高値からの調整幅が5~10% | 小口で買い増し開始 |
テクニカル反発 | MACD・RSIが反転 | 追加買い増しを検討 |
決算発表前後 | ポジティブな見通しがある場合 | イベント前に買い増し |
市場全体の調整 | セクター連動で一時的に下落 | 分散投資の一環として買い増し |
このように、取得単価の上昇を「リスク」ではなく「戦略的コスト」と捉えることで、含み益銘柄でも柔軟な対応が可能になります。
心理的快適さと効率性のバランスを重視する投資スタイルでは、段階的な買い増しとテクニカルの併用が特に有効です。
2025年10月第3週の実現損益
2025年の10月の収支報告楽天証券
デイトレの合計収支(10月14日~10月17日):0円
10月の累計収支:0円
SBI証券
スイングの合計収支(10月14日~10月17日):+8,280円
10月の累計収支:+8,280円
配当・分配金(楽天+SBI):0円
トータル収支:+8,280円
▶ 10月第2週 | 10月第1週
2025年の各月の収支報告
楽天証券での合計収支(1月~9月):-21,660円
SBI証券での合計収支(同期間):+61,644円
配当・分配金(楽天+SBI):+172,694円
トータル収支:+212,578円
▶ 9月の収支報告 | 8月の収支報告 | 7月の収支報告 | 6月の収支報告 | 5月の収支報告 | 4月の収支報告 | 3月の収支報告 | 2月の収支報告 | 1月の収支報告 | 2024年の収支報告