日経平均が2日続落する一方で、原油高を追い風に資源関連株には買いが集まった9月9日の日本市場。前日の米国株がそろって下落するなか、なぜ日本市場では半導体や電線、資源関連など一部の銘柄が買われたのでしょうか。
前夜の米国市場では、中東情勢の緊迫化から原油価格が上昇し、インフレ再燃への警戒と米長期金利の上昇が株価の重荷となりました。為替では円高・ドル安の流れが続き、日本市場でもこうした外部環境を意識した慎重な売買が続きました。その一方、米国で半導体株が底堅く推移したことで、日本でもAI・半導体や電線株に資金が向かい、原油高から資源関連株も上昇するなど、指数だけでは見えにくい強弱が表れた一日となっています。
この記事では、米国市場から日本市場へつながった一日の相場の流れとともに、楽天証券で行った東洋エンジニアリング、モルフォ、IHIのデイトレード、SBI証券での高配当投資を含む売買動向、そしてトレードを終えて感じた反省点を振り返ります。なお、本文に記載しているトレード銘柄の「銘柄名」には、その銘柄を過去に取引した際の記事へ移動できるリンクを設定しています。これまでの売買経緯もあわせて確認していただければと思います。その日の値動きだけで終わらせず、相場環境と自分の判断を一緒に振り返りながら、これからの投資判断を少しずつアップデートしていきましょう。
2026年9月9日の市況|米国株安と原油高を警戒、日経平均は2日続落
主要指数(9月9日時点)
日経平均:65,142.78(-126.55)
TOPIX:4,046.64(-3.69)
NYダウ:52,786.07(-628.18)
NASDAQ:26,421.41(-85.58)
S&P500:7,673.52(-45.08)
米国市場(9月8日)
8日の米国市場は、レーバーデーによる3連休明けの取引となり、NYダウ、NASDAQ、S&P500はいずれも下落しました。NYダウは52,786.07で取引を終え、前営業日比628.18ポイント安。NASDAQは26,421.41で85.58ポイント安、S&P500は7,673.52で45.08ポイント安となりました。NYダウは一時690ポイント近く下落する場面もあり、中東情勢の緊迫化を背景とした原油高やインフレ再燃への警戒、米国とカナダの貿易摩擦などが投資家心理の重荷となりました。
この日の大きな材料となったのが、中東情勢の悪化による原油価格の上昇です。イランを巡る米国との軍事的な緊張が続くなか、イランが支援するイエメンのフーシ派がサウジアラビアのエネルギー施設を攻撃したことで供給懸念が強まり、WTI原油先物は1バレル=94.54ドルまで上昇しました。約6週間ぶりの高値圏となり、原油高が輸送費や原材料費を通じて物価上昇圧力を強める可能性が意識されました。
原油高を受けて米国債市場でも金利上昇圧力が強まり、米10年債利回りは4.80%辺りまで上昇しました。9月15~16日に予定されるFOMCでの利上げも意識され、ロイターによると市場が織り込む利上げ確率は約60%まで上昇しています。前週発表された米雇用関連データが市場予想を上回ったこともあり、FRBがインフレ抑制を優先して追加利上げに動くとの見方が株価の上値を抑えました。今後は米国の生産者物価指数や消費者物価指数など、インフレ指標の内容が金利見通しを左右する重要な材料となりそうです。
VIX恐怖指数は15.72と前営業日から0.42ポイント上昇しました。ただ、市場全体が売り一色になったわけではなく、原油高を背景にエネルギー関連株が買われたほか、一部の半導体株も堅調でした。クアルコムはAmazonとのAIインフラ向けカスタム半導体開発に関する提携を発表して上昇し、Intelなどにも買いが入りました。一方、AIによる既存サービスへの影響が改めて意識され、SalesforceやIntuit、ServiceNowなどのソフトウェア関連株は売られ、NASDAQの重荷となりました。
為替市場では円高・ドル安の流れが続き、ドル円はニューヨーク市場で一時1ドル153円46銭まで円高方向に進み、153円99銭付近で取引を終えました。日銀の追加利上げ観測や円キャリートレードの巻き戻しが円買いにつながる一方、米国では原油高を受けた長期金利の上昇がドルを支える材料となっています。日銀の金融政策正常化を意識した円高圧力と、米国の追加利上げ観測によるドル高圧力がぶつかる状況となりました。
さらに、カナダによる米国製品への報復関税が発効するなか、トランプ大統領もカナダに対する追加措置を示唆しており、米国とカナダの貿易摩擦も警戒材料となりました。中東情勢、原油高、米長期金利の上昇、FRBの追加利上げ観測、貿易摩擦と複数の不透明要因が重なっているだけに、今週発表される米インフレ指標の内容が今後の金利見通しや株価の方向性を左右しそうです。
米国市場全体のまとめ
1.NYダウ、NASDAQ、S&P500はいずれも下落し、特にNYダウの下げが大きい一日だった。
2.中東情勢の緊迫化による供給懸念からWTI原油先物が94.54ドルまで上昇し、インフレ再燃への警戒が強まった。
3.米10年債利回りが4.80%辺りまで上昇し、9月FOMCでの追加利上げ観測が株価の重荷だった。
4.円高・ドル安が進む一方、米金利上昇がドルを支え、日米の金融政策を巡る思惑が交錯する為替相場だった。
5.米国とカナダの貿易摩擦に加え、今後発表されるPPIやCPIが金融政策を見極めるうえで重要な材料だった。
日本市場(9月9日)
9日の日本市場は、前日の米国株下落を受けて朝方から慎重な売買となりました。原油価格や米長期金利の上昇が警戒される一方、米国市場では半導体株が底堅く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が4日続伸。この流れを受け、日本市場でもAI・半導体関連や電線株の一角に買いが入り、相場を下支えしました。
日経平均は前日比126.55円安の65,142.78円で取引を終え、2日続落となりました。TOPIXも前日比3.69ポイント安の4,046.64ポイントで終了しています。寄り付き後は売りが先行したものの、AI・半導体関連や電線株への買いを背景に前場には持ち直す場面もありました。ただ、後場に入ると買いの勢いは続かず、原油高への警戒や重要イベントを控えた持ち高調整も重なり、主要指数は小幅安で取引を終えました。
東証プライムの売買代金は概算9兆2,303億円、売買高は23億29万株となり、売買代金は7営業日ぶりに9兆円を上回りました。値上がりは601銘柄、値下がりは920銘柄、変わらずは33銘柄となり、指数の下落幅以上に個別株では売りが優勢でした。業種別では非鉄金属、石油・石炭製品、鉱業などが上昇した一方、証券・商品先物取引、サービス、小売などは軟調となり、原油高を背景に石油・資源関連へ資金が向かいました。
個別ではソフトバンクグループが5日続伸し、フジクラや古河電気工業などの電線株にも買いが入りました。イビデンやレーザーテックも上昇し、米国市場でSOX指数が4日続伸したことがAI・半導体関連への追い風となりました。非鉄金属ではJX金属が上昇したほか、住友金属鉱山や三井金属も大幅高となり、資源関連への買いが目立ちました。
一方、売買代金首位のキオクシアホールディングスは軟調となり、アドバンテスト、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、リクルートホールディングス、任天堂なども下落しました。指数寄与度ではアドバンテストが日経平均を約231円押し下げた一方、ソフトバンクグループが約204円押し上げており、値がさ株の強弱が指数を大きく左右しました。
国内では日銀の利上げペースが速まるとの観測も上値を抑える要因となりました。11日のメジャーSQ算出に加え、翌週にはFOMCと日銀金融政策決定会合が予定されているため、積極的に買い持ちを増やしにくい状況です。米国でも10日にPPI、11日にCPIの発表を控えており、原油高がインフレ指標や金融政策にどの程度影響するのかを見極めようとする姿勢が日本市場でも強まったとみられます。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均とTOPIXはいずれも小幅安となり、日経平均は2日続落だった。
2.SOX指数の4日続伸を背景に、AI・半導体関連や電線株の一角には買いが入る展開だった。
3.原油高を受けて非鉄金属、石油・石炭製品、鉱業など資源関連への買いが目立った。
4.日銀の追加利上げ観測や円高が意識され、積極的に買い持ちを増やしにくい相場だった。
5.メジャーSQやFOMC、日銀金融政策決定会合、米PPI・CPIを控え、重要イベント待ちの色が強い一日だった。
トレード銘柄|東洋エンジニアリング・モルフォ・IHIをデイトレ、JX金属を一部利確
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 6330 東洋エンジニアリング
株 価: 2,771.0円 → 2,779.0円
約定時間: 09:13:55 → 09:14:37
収 支: +800円
狙 い: 売買代金ランキングを確認し、資金が集まっている銘柄として選定。 - 3653 モルフォ
株 価: 1,402.0円 → 1,410.0円
約定時間: 09:22:49 → 09:30:52
収 支: +800円
狙 い: 売買代金ランキングを確認し、資金が集まっている銘柄として選定。 - 7013 IHI
株 価: 2,720.5円 → 2,722.5円
約定時間: 10:35:26 → 10:54:49
収 支: +200円
狙 い: 防衛関連銘柄に買いが入っていたため、その流れを意識して選定。
NISA口座
- 8766 東京海上ホールディングス
株 価: 7,755.0円
数 量: +1株
合 計: 1株

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 7327 第四北越フィナンシャルグループ
株 価: 2,588.0円
数 量: +1株
合 計: 40株
売却銘柄
- 5016 JX金属
株 価: 3,910.0円
数 量: -10株
合 計: 27株
売却理由: 直近高値が4,000.0円付近であった為、一部利確

8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|デイトレの利確後の値動きと恩株化を意識した売買
前日の米国市場が下落し、為替も円高方向へ動くなか、普段デイトレードで触っている銘柄の反応は乏しく、個人的には難しい相場だったように感じます。東洋エンジニアリングとモルフォについては、それぞれ利益を確保して売買を完結できたため、トレードそのものには納得しています。ただ、その後の上昇局面を捉えることはできませんでした。もう少し需給を見ながら判断する必要があったと感じています。
IHIについては、防衛関連銘柄が上昇しているなかでエントリーしました。IHIは単元未満株としても保有しており、今後の恩株化を考えたうえで、デイトレードによる利益を少しずつ積み重ねることが投資元本の回収にもつながるのではないかと考えたことが、今回の銘柄選定につながっています。
JX金属は直近高値が4,000.0円付近だったことから、3,910.0円で10株を一部利確しました。こちらもIHIと同様に、利益を確定することで投資元本の回収を進める目的を兼ねた売却です。
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