米国市場が休場で新たな手掛かりが乏しい中、9月8日の日本市場では円高が急速に進み、日経平均は1,130円を超える大幅安となりました。米国株の動きがない日に、なぜここまで日本株が売られたのか。今回は、日銀の追加利上げ観測や国内経済指標、ドル円の変化が相場を大きく左右する一日となっています。
直近の米国市場では、強い雇用統計からFRBの追加利上げ観測が高まり、米10年債利回りも上昇しました。その一方、日本ではGDP改定値や実質賃金が底堅さを示し、日銀の追加利上げを意識した円買いが進行。ドル円が153円台まで円高に振れたことで、輸出企業を中心に売りが広がりました。私はこの地合いの中、楽天証券では持ち越していたヴィッツを利益確定し、SBI証券では下落した単元未満株を中心に買い増しています。
この記事では、米国市場休場時の外部環境から日本市場へつながった流れ、楽天証券とSBI証券での実際の売買、ヴィッツを売却した判断や円高局面での買い増しを振り返ります。本文に記載しているトレード銘柄の「銘柄名」には、それぞれ過去の取引記録へ移動できる記事リンクを設定しています。相場の値動きだけでなく、その中で自分がどう判断したのかまで確認しながら、今後の投資判断を一緒にアップデートしていければと思います。
2026年9月8日の市況|円高進行で日経平均は1,130円安、米国市場はレーバーデーで休場
主要指数(9月8日時点)
日経平均:65,269.33(-1,130.51)
TOPIX:4,050.33(-75.47)
NYダウ:53,414.25(-271.86)
NASDAQ:26,506.99(-77.07)
S&P500:7,718.60(-29.11)
※9月7日米国市場は休場のため指数は9月4日の数値です。
米国市場(9月7日)|レーバーデーで休場、強い雇用統計から利上げ警戒が継続
7日の米国市場はレーバーデーの祝日で休場となったため、主要3指数の直近の確定値は9月4日の終値です。NYダウは前日比271.86ドル安の53,414.25ドル、NASDAQは77.07ポイント安の26,506.99、S&P500は29.11ポイント安の7,718.60となり、3指数そろって下落しました。前日に大きく上昇した反動に加え、米雇用統計をきっかけにFRBによる9月利上げへの警戒が強まったことが株価の重荷となっています。
相場の方向を大きく左右したのが、9月4日に発表された8月の米雇用統計です。非農業部門雇用者数は前月比162,000人増と、市場予想の56,000人増を大幅に上回りました。さらに6月と7月の雇用者数も合計55,000人上方修正され、失業率は4.1%で横ばいとなっています。雇用環境の強さは景気の底堅さを示す一方、インフレを抑えるための金融引き締めを継続しやすくなるとの見方にもつながり、CMEのFedWatchでは9月会合で0.25ポイントの利上げが行われる確率が58.4%まで上昇しました。経済指標の強さが株式市場にとって必ずしも好材料とはならず、金利上昇への警戒につながる形です。
一般的に政策金利や長期金利が上昇すると、企業の借入コストが増えやすくなるほか、将来の成長期待を高く評価されているグロース株では株価評価の重荷になる場合があります。そのため、景気の強さそのものよりも、それがFRBの金融政策へどう影響するのかが株式市場では重要になります。
株式市場が休場だった9月7日も、原油市場では中東情勢を巡る値動きが続きました。WTI原油先物は米東部時間9月7日に2.76ドル上昇し、1バレル94.25ドルとなっています。米国とイランによる石油タンカーや軍艦への攻撃が続く中、イラン側が新たな米国の攻撃に対して中東のエネルギー施設を標的にすると警告したことで、ホルムズ海峡を含む原油供給への懸念が強まりました。
原油価格の上昇は、エネルギー企業にとって追い風となる場合がある一方、燃料費や物流費を通じて企業コストを押し上げる要因にもなります。原油高が長期化すればインフレ圧力を再び強め、FRBの金融政策にも影響する可能性があるため、金利とあわせて確認しておきたい材料です。
為替市場では円高・ドル安が進み、ドル円は一時1ドル153.5円まで下落した後も153円台後半で推移しました。日銀による追加利上げへの期待、日本の投資家による資金の国内回帰、円を調達通貨としたキャリートレードの巻き戻しなどが円買いにつながったとみられています。
米国では強い雇用統計から9月の利上げ観測が高まり、日本でも金融引き締め観測が強まっています。今後は米国の消費者物価指数などのインフレ指標が、株価、米長期金利、ドル円の方向を左右する重要な材料になりそうです。
米国市場全体のまとめ|休場中も金利・原油・為替への警戒が継続
1.9月7日はレーバーデーで休場となり、主要3指数の直近終値は9月4日の下落した数値となった。
2.8月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回り、米景気の底堅さが改めて意識された。
3.強い雇用統計から9月の追加利上げ観測が高まり、金融引き締めへの警戒が強まった。
4.中東情勢の緊迫化でWTI原油先物は94.25ドルまで上昇し、原油供給への懸念が広がった。
5.ドル円は153円台まで円高が進み、日米双方の金融政策が意識された。
日本市場(9月8日)|円高と日銀利上げ観測で輸出株を中心に売り広がる
7日の米国市場がレーバーデーの祝日で休場だったため、9月8日の日本市場は米国株やセクター動向による新たな手掛かりが乏しい状態で始まりました。その一方、外国為替市場では円買いが加速し、ドル円は日本時間の日中に一時1ドル153円台まで円高が進行。急速な円高への警戒から輸出企業の採算悪化が意識され、自動車や電子部品株を中心に売りが広がるなど、この日は米国株よりも為替の影響が強く表れました。
一般的に円高は、海外売上の比率が高い輸出企業にとって、海外で得た利益を円換算した際の押し下げ要因となる場合があります。一方、海外から商品や原材料を仕入れる企業では調達コストの低下につながることもあるため、同じ円高でも業種によって影響は異なります。
日経平均は前営業日比1,130.51円安の65,269.33円で取引を終え、3営業日ぶりの反落となりました。TOPIXも75.47ポイント安の4,050.33で終了しています。朝方は前日の大幅上昇を踏まえた利益確定売りが先行しましたが、国内金利が低下する中でAI・半導体関連株の一角に買いが入り、前場には買い戻される場面もありました。
しかし午後になると、円高がどこまで続くのかを見極めたいとの姿勢が強まり、時間外の米国株先物が弱含んだことも投資家心理を慎重にさせました。大引けにかけて自動車や電子部品株を中心に売りが広がり、日経平均は安値圏で取引を終えています。
東証プライム市場の売買代金は8兆4,774億円と高水準でした。値上がりは362銘柄、値下がりは1,158銘柄、変わらずは34銘柄となり、値下がり銘柄が全体の約4分の3を占めました。日経平均だけでなく、TOPIXも大きく下落していることから、一部の値がさ株だけではなく市場全体に売りが広がっていたことが分かります。
業種別では33業種のうち、情報・通信業、石油・石炭製品、鉱業など9業種が上昇した一方、ガラス・土石製品、輸送用機器、電気機器など24業種が下落しました。円高の影響を受けやすいトヨタ自動車が大きく下落したほか、村田製作所やTDKなどの電子部品株も軟調でした。その一方、円高による仕入れコスト低下が意識されたニトリホールディングスは大きく上昇し、ソフトバンクグループも底堅い動きとなっています。
国内では、金融政策を意識させる経済指標も相次ぎました。内閣府が発表した2026年4~6月期の実質GDP改定値は前期比0.4%増、年率換算で1.4%増となり、速報値の年率1.1%増から上方修正されました。設備投資の減少幅が縮小し、個人消費も小幅ながらプラスへ修正されています。
また、7月の実質賃金は前年同月比2.4%増と7カ月連続でプラスとなり、2021年5月以来の大きな伸びとなりました。名目賃金にあたる現金給与総額も前年同月比4.7%増となっています。景気や賃金の底堅さを示す数字が日銀による追加利上げ観測を支え、円買いの流れとも重なりました。
一般的に金利が上昇すると、円建て資産の金利面での魅力が高まり、為替市場では円買いにつながることがあります。一方、借入コストが増えるため、金利上昇の影響を受けやすい企業や業種には負担となる場合もあります。金融政策の変化は為替だけでなく、株式市場の業種ごとの強弱にも影響しやすい材料です。
為替市場では、これまで積み上がっていた円売りポジションを解消する動きも加わり、ドル円は一時153円台後半まで円高が進みました。午後にはドルが買い戻される場面もありましたが、急速な為替変動そのものが株式市場の不安定要因として意識されています。
来週には日米の中央銀行による金融政策決定を控えており、新たなポジションを積極的に取りにくい状況でもありました。米国株という明確な手掛かりがなかった9月8日は、国内経済指標、日銀の金融政策観測、そして円相場という日本独自の材料が株価形成へ強く影響しています。
日本市場全体のまとめ|円高進行で日経平均・TOPIXが大幅下落
1.日経平均は1,130.51円安、TOPIXは75.47ポイント安となり、主要指数がそろって大幅に下落した。
2.ドル円が一時153円台まで円高に振れ、輸出企業の業績への警戒が強まった。
3.トヨタ自動車や村田製作所、TDKなど、自動車・電子部品を中心に売りが広がった。
4.GDP改定値や実質賃金の底堅さが、日銀による追加利上げ観測を支えた。
5.日米の金融政策決定を控え、急速な為替変動への警戒から積極的なポジションを取りにくい地合いとなった。
トレード銘柄|ヴィッツを利益確定し3銘柄を単元未満株で買い増し
楽天証券|スイングトレードと積み立て投資
特定口座
- 4440 ヴィッツ
株 価: 1,946.0円 → 2,014.0円
約定時間: 9月4日 10:22:55 → 9月8日 09:21:04
収 支: +6,800円
狙 い: モメンタムを重視してエントリーしたものの、その後は含み損となり持ち越していました。カタリスト面でも不確実性が高いと感じていたため、本日の上昇局面を利用して利益確定しました。 - 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,020.0円
数 量: +1口
合 計: 20口

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 4502 武田薬品工業
株 価: 5,765.0円
数 量: +1株
合 計: 15株 - 7327 第四北越フィナンシャルグループ
株 価: 2,634.0円
数 量: +1株
合 計: 39株 - 8316 三井住友フィナンシャルグループ
株 価: 7,024.0円
数 量: +1株
合 計: 19株
売却銘柄
- なし
8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|ヴィッツを利益確定し円高で下落した銘柄を買い増し
9月4日にデイトレード目的でエントリーしたヴィッツは、その後含み損となり、そのまま持ち越していました。昨日は一時1,900.0円まで上昇する場面があったものの勢いは続かず、その後失速しながらも1,600.0円付近でとどまっています。一定の底堅さは感じており、自動運転技術という分野自体は応援したい気持ちもありますが、現時点ではまだ不確実性のほうが高いと判断しています。
本日は私用があり、相場を途中までしか確認できない状況でした。寄り前の板を見る限りではストップ高気配となっており、寄り付いた後も通常の上昇とは少し違う力強さを感じたため、ストップ高の価格へ指値を入れておいたところ約定しました。カタリスト面での不確実性が残っていることに加え、ボラティリティも高く、再び含み損へ転じる可能性も考えて、今回はいったん売却する判断をしています。
今週はメジャーSQも控えています。ヴィッツ自体は指数に組み込まれていませんが、その影響を受ける可能性も無きにしも非ずと考えていました。結果として+6,800円で利益を確定できたものの、もともとはデイトレード目的で入った銘柄を含み損のまま持ち越しているため、利益になったこととは分けて振り返る必要があります。
SBI証券の単元未満株については、ドル円が大きく円高方向へ動いたことで、ポートフォリオ内でも多くの銘柄が下落しました。各企業がどの程度の為替水準を前提に売上予想を立てているのかについては今後精査する必要がありますが、本日はポートフォリオ内で比較的下落幅の大きかった武田薬品工業、第四北越フィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループをそれぞれ1株ずつ買い増しています。
円高だから一律に買うという考えではなく、あくまで保有銘柄の中で下落した銘柄を確認しながら追加した形です。為替変動が企業業績へ与える影響は業種や事業構成によって異なるため、今後は各社の想定為替レートも確認しながら、買い増しの判断へつなげていきたいと考えています。


