8月5日の株式市場は、前週末の米国雇用統計ショックを乗り越えて米国株が大きく反発し、その流れがそのまま東京市場にも波及しました。利下げ期待が投資家心理を支え、グロース市場を中心に活気ある展開に。デイトレードではテーマ性と資金の流れを意識したエントリーが奏功し、収支もプラスで終えることができました。本記事では、その日全体の市況とともに、実際のトレード戦略や反省点も詳しく振り返ります。デイトレードブログとして、相場の「今」と「気づき」をお届けします。
2025年8月5日の市況|雇用統計ショックを乗り越え、米株大反発 東京市場も連れ高で心理改善
主要指数(8月5日時点)
日経平均:40,549.54(+258.84)
TOPIX:2,936.54(+20.34)
NYダウ:44,173.64(+585.06)
NASDAQ:21,053.58(+403.44)
S&P500:6,329.94(+91.93)
米国市場(8月4日)
8月4日の米国株式市場は、まさに「寝ていた相場が目を覚ました」と言えるような力強い反発を見せました。前週末の雇用統計が予想を大幅に下回ったことが逆に好感され、9月の利下げ観測が一気に広がったことが背景です。
ダウ平均は前日比+585.06ドル(+1.3%)の44,173.64ポイント、S&P500は+91.93ポイント(+1.5%)の6,329.94、NASDAQは+403.44ポイント(+2.0%)と、いずれも5月以来の水準に戻るほどの強い戻りを見せました。小型株中心のラッセル2000指数も+2.1%と幅広い買いが入っています。
特に好調だったのはハイテク株で、エヌビディアやAMD、マイクロソフト、メタがいずれも+3.5%以上の上昇を記録。やや出遅れていたテスラも+1.0%と買い直されました。
貿易面では、トランプ大統領がスイス製品に対して39%の関税を課すとの報道を受け、EUが報復関税を半年間凍結する構えを見せています。地政学的リスクは残るものの、利下げ期待が投資家心理を強力に支えた格好です。
なお、今週後半にはマクドナルド、ディズニー、ウーバーなどの注目決算が控えており、市場の勢いが続くかどうか試される局面となりそうです。
日本市場(8月5日)
8月5日の東京市場は、米国市場の大幅反発を好感して幅広く買いが入り、日経平均・TOPIXともに堅調な動きとなりました。
日経平均は40,549.54円(+258.84円)、TOPIXは2,936.54ポイント(+20.34)と、どちらも終日強い基調を保ちました。特に目立ったのが電力・非鉄金属、そしてAIやデータセンター関連といったテーマ株で、個人投資家の関心も高かった印象です。さらに、銀行・証券といった金融株にも資金が入り、相場全体を下支えしました。
前場では半導体株を中心に一時+300円超の上昇も見られ、買いが一巡した後も底堅く推移。リバウンド狙いや押し目買いが活発で、4万円台をしっかりとキープした点はポジティブです。前日までの続落があった分、反発しやすい地合いだったとも言えます。
為替は1ドル=147円台前半で推移し、やや円高気味。この影響から、輸出関連株には一部慎重な動きも見られました。一方、債券市場では米金利低下の流れを受け、日本国債も買われて長期金利が約0.035%低下。日米金利差が縮小することで、為替動向や資産配分にも波及効果が出ています。
8月5日の大暴落から1年|「発言」と「実績」、市場が反応する本当の理由
2024年8月5日、日経平均は一日で約4,451円という記録的な急落を記録しました。
きっかけは、日銀・植田総裁による「金利引き締めの可能性」に言及した発言です。市場はこれを将来的な金融政策転換のシグナルと受け取り、一気にリスク回避姿勢を強めました。これは金利上昇と円高の予測が投資家心理に与える影響の大きさを象徴する出来事であり、「発言」がもたらす未来予測リスクに市場がどれだけ脆弱かを浮き彫りにしました。
今年4月7日にも、同様の動きが見られました。
トランプ大統領が「大規模な関税強化」を示唆したことで、市場は瞬時に反応。S&P500やNASDAQは数日で10%を超える下落、ダウ平均も約4%下落するなど、世界的なリスクオフムードを誘発しました。ここでも明らかなのは、「発言」が未来の不確実性を想起させ、市場に過剰な反応を引き起こしやすいという構造です。
一方、2025年8月1日に発表された米7月雇用統計は、市場予想を大幅に下回る「弱い内容」でした。
しかし、株式市場はこの「実績」によって大きく下がるどころか、反発の起爆剤として捉えました。というのも、それはすでに過去の数字であり、むしろ「9月利下げ」への思惑を裏付ける材料として期待を高める結果となったためです。市場は未来を先回りする性質があるため、「過去の事実」に対しては比較的冷静に対処しやすいのです。
他の要因の影響も無視できない
もちろん、市場の反応には「発言」vs「実績」という単一の視点だけでなく、他の多様な要因が複雑に絡み合います。
- 金利動向(特に米長期金利の低下)
- 為替のトレンド(ドル安・円高)
- 株式バリュエーション(割高・割安)
- 信用スプレッド
- 地政学リスク(中東、台湾、ウクライナなど)
- 日本債券市場の動き
これらが相互に影響し合うことで、「実績」が与えるインパクトを弱めたり、「発言」に対する過剰反応を和らげることもあります。
また、トランプ政権の関税に関しても、発言直後には市場が大きく揺れたものの、その後に具体的な政策内容や実施スケジュールが明らかになるにつれ、過剰反応は徐々に落ち着いていく傾向が見られました。
市場は「未来」を取引している
総じて言えるのは、市場は「未来のストーリー」に最も敏感に反応するということです。
「発言」はそのストーリーの方向を一変させる可能性を秘めており、市場のボラティリティを一気に高めます。一方で「実績」はすでに過ぎた話であり、多くの場合、市場はそれをすでに織り込み済みです。
ただし、どちらがより重要という話ではなく、「どのタイミングで」「どのような他の要因と組み合わさるか」によって、市場の反応は大きく異なります。未来を読む眼差しと、足元のデータを冷静に受け止める力、その両輪が投資判断には求められます。
デイトレード銘柄|グロース市場に勢い、値動きの軽さを狙ってエントリー
楽天証券
米国株の上昇ムードを引き継ぎ、東京市場でも買い意欲が強まった一日。中でも円高傾向の影響か、グロース市場が活況で、値動きの軽さを活かした短期トレードを中心に組み立てました。
- 4316 ビーマップ
株 価: 951.5 → 953.0
951.5 → 963.0
約定時間: 09:10:40 → 09:13:32
09:45:37 → 12:56:34
収 支: +150円
+1,150円
狙 い: 朝の売買代金ランキングで上位に入り、短期資金の流入を確認。1回目は狙い通りの利確、2回目は継続的な上昇を受けて再度エントリー。 - 155 情報戦略テクノロジー
株 価: 830.0 → 836.0
約定時間: 09:35:10 → 09:36:00
収 支: +600円
狙 い: 前場から値動きが軽く、買いが優勢だったため上昇の初動を狙ってエントリー。短期勢の動きが顕著で好判断。 - 9509 北海道電力
株 価: 998.1 → 999.9
約定時間: 13:17:35 → 14:31:26
収 支: +180円
狙 い: 電力株全体の物色トレンドに乗る形でエントリー。ランキングでも継続的な動きが見られ、押し目狙いで参戦。 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,089.0
数 量: +1株
合 計: 7株

SBI証券
買い増し銘柄
- 1719 安藤・間 +1株(合計31株)
売却銘柄
- なし
反省点|利益は確保も、判断の質に改善点あり
ビーマップ
1回目のトレードは完璧だったが、2回目は勢いに乗りすぎた感あり。後場まで持ち越したが、もっと板の動きや相場の雰囲気を見て、エントリーの意図を明確にすべきだった。ロットで勝負して短期で抜ける方が、リスクを抑えられたかもしれない。
情報戦略テクノロジー
タイミングが雑になり、押し目をしっかり見極める前に入ってしまった。出来高やチャートの形状をもう一段深く分析していれば、より安全なエントリーができた可能性がある。
北海道電力
電力株全体の勢いに乗ろうとしたが、タイミングがやや雑だった。チャートの形や出来高の推移をしっかり見ずに入ってしまい、上昇前の押し目を見極められなかった。一時的な上昇に救われたが、リスク管理の甘さが残る内容だった。
総括
全体的には、セクターの強さや資金の流れといったポジティブな要因をしっかり見極めてエントリーできていた点は評価できる。一方で、エグジットの精度やリスク管理の面では改善の余地が残り、伸ばせる利幅を逃す場面もあった。次回は値動きの"質"を見極める意識と、より緻密な判断力を持ってトレードに臨みたい。