11月12日の株式市場は、米国での政府機関再開への期待感が高まり、投資家心理が大きく改善しました。NYダウが過去最高値を更新した流れを受けて、日本市場も非鉄金属や金融株を中心に買いが広がりました。一方で、AI関連株には利益確定の動きが出るなど、明暗の分かれた展開となりました。今回は米国・日本の市場動向と、筆者のトレード記録、反省点を振り返ります。
2025年11月12日の市況|政府機関再開期待で買い優勢、日経・ダウともに最高値圏へ
主要指数(11月12日時点)
日経平均:51,063.31(+220.38)
TOPIX:3,359.33(+37.75)
NYダウ:47,927.96(+559.33)
NASDAQ:23,468.30(-58.87)
S&P500:6,846.61(+14.18)
米国市場(11月11日)
11日の米国市場は、つなぎ予算案の上院通過により政府機関の閉鎖回避が現実味を帯びたことで、投資家心理が改善。NYダウは559.33ドル高の47,927.96ドルで引け、過去最高値を更新しました。
S&P500も14.18ポイント高の6,846.61で終え、特にヘルスケア、資本財、公益といった安定したセクターに買いが集まりました。ヘルスケアではイーライリリーやジョンソン・エンド・ジョンソンなどが堅調で、業績見通しの上方修正も追い風となりました。
一方でNASDAQは58.87ポイント安の23,468.30と反落。エヌビディアがソフトバンクグループによる保有株売却報道を受け下落したほか、メタやアルファベットも軟調でした。AI関連株には一服感が出ており、ハイテク株全体の調整要因となっています。
為替市場ではADP雇用統計が予想を下回ったことを受けドル売りが進行し、円は1ドル=154.13円で引け。原油は中東情勢の緊張を背景に上昇した一方、金は利益確定売りに押され反落しました。
日本市場(11月12日)
12日の日本市場は、米国株高の流れと政府機関再開への期待感を受け、幅広い業種で買いが優勢となりました。TOPIXは終値ベースで過去最高値を更新し、日経平均株価も前日比220.38円高の51,063.31円で取引を終えました。
特に非鉄金属、銀行業といった景気敏感株が堅調で、ディフェンシブな医薬品や食料品にも資金が流入。国内企業の好決算も追い風となりました。
一方で、米ハイテク株の下落を受け、AI・半導体関連には売りが出ました。ソフトバンクグループは好決算と株式分割を発表したものの、一時10%近く下落し、相場全体の重しとなりました。
為替は円安方向に進み、1ドル=154円台半ばまで下落。ドル買い・円売りが優勢で、2月以来の安値圏となりました。債券市場は方向感に欠ける展開で、13日の国債入札を前に様子見ムードも強まっています。
トレード銘柄|情報戦略テクノロジーで利確、好決算銘柄中心に買い増し
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
- 155A 情報戦略テクノロジー
株 価: 1,146.0 → 1,154.0
約定時間: 9月9日 → 11月12日 12:32:36
収 支: +800円 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,178.0
数 量: +2口
合 計: 99口

SBI証券|スイングトレード(単元未満株)
買い増し銘柄
- 1808 長谷工コーポレーション +1株(合計5株)
- 1812 鹿島建設 +1株(合計5株)
- 5016 JX金属 +2株(合計12株)
- 7272 ヤマハ発動機 +1株(合計159株)
- 8136 サンリオ +1株(合計3株)
売却銘柄
- なし
本日のポートフォリオ内の決算銘柄
- 167A リョーサン菱洋ホールディングス
上期経常が3%減益で着地、7~9月期も10%減益。株価の上昇が鈍く、今期のEPSも前期比36%減と厳しい内容。今後の株価推移を見極めながら売買を検討。 - 1808 長谷工コーポレーション
今期経常を6%上方修正。他建設業同様堅調で推移しており、チャートも右肩上がりを維持。保有数が少ないため、引き続き追加購入を視野に。 - 5020 ENEOS
今期最終を27%下方修正しつつ、配当を4円増額。業績面は弱いものの、株主還元姿勢は評価できる。過去に一部利確済みだが、再度の買い増しを検討。 - 5105 TOYO TIRE
今期経常を15%上方修正。決算発表後は一時的に売られたが、下ヒゲをつけて前日比ほぼ変わらず。需給面の整理を経て反発の可能性も。 - 6269 三井海洋開発
今期最終を22%上方修正、最高益予想を上乗せ。配当も20円増額され、レアアース関連として注目。高単価ながら利益貢献度が高く、上昇が続けば追加購入も検討。 - 8309 三井住友トラスト
今期最終を5%上方修正、最高益更新。配当も10円増額され、右肩上がりのチャートが続く。ポートフォリオ全体の含み益に寄与。
反省点・総括|機会損失から得た教訓と決算発表後の値動き分析
9月から保有していた情報戦略テクノロジーは、結果的に含み損から回復するまで2か月を要しました。決算を目前に控え、再び同じリスクを取らないように利確を選択。デイトレとしては反省点が多く残る取引でした。
スイングでは、堅調な業績を背景に建設・素材株を買い増し。JX金属は構造改革の動きが進み、長期的なコスト削減が期待されます。一方で、TOYO TIREは上方修正にもかかわらず下落し、決算後の値動きに難しさが見えました。
総じて、全体的には好材料を的確に捉えた一方、利益確定のタイミングや決算跨ぎの判断に課題が残りました。市場全体が上昇ムードの中でも、「勢いに流されない冷静な判断」が改めて重要であると痛感する一日となりました。
