8月3日の日本市場は、前週末の米国株高とは対照的に、急速な円高進行が重荷となり、日経平均は607円安と3営業日ぶりに反落しました。日中には下げ幅が一時1,600円を超える場面もあり、輸出関連株を中心に幅広く売りが広がる荒い値動きとなっています。
こうした地合いを受け、この日のデイトレードは見送りました。一方で、楽天証券では新たにGXNAS100Dカバコの積み立てを開始し、SBI証券では野村不動産ホールディングス、ULSグループ、IHI、第四北越フィナンシャルグループを買い増しています。
本文中のトレード銘柄名にリンクが付いている場合は、過去に同じ銘柄を売買した記録へ移動できます。米国株高と円高という相反する材料の中で、なぜ短期売買を見送り、長期側では買い増しを進めたのかを振り返ります。
2026年8月3日の市況|米国株高とは対照的に日本株は円高を警戒
主要指数(8月3日時点)
日経平均:63,754.90(-607.12)
TOPIX:3,960.03(-43.27)
NYダウ:52,485.03(+276.97)
NASDAQ:25,373.85(+251.68)
S&P500:7,489.72(+52.09)
米国市場(7月31日)|好決算で株高も金利・為替には不安定さ
31日の米国市場は、NYダウ、NASDAQ、S&P500の主要3指数がそろって上昇しました。NYダウは前日比276.97ポイント高の52,485.03、NASDAQは251.68ポイント高の25,373.85、S&P500も52.09ポイント高の7,489.72と、良好な企業決算や底堅い経済指標を支えに上値を伸ばしています。
その中心となったのが、前日夕方に決算を発表したアマゾン・ドット・コムです。市場予想を上回る内容が好感され、株価は15%を超えて急伸。AIやクラウド事業への成長期待も改めて意識され、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディアなど主要ハイテク株にも買いが広がりました。
一方で、すべての大型株が買われたわけではありません。決算内容や今後の収益見通しが物足りないと受け止められたアップルは軟調となり、好決算銘柄へ資金が向かう一方で、期待に届かなかった銘柄は売られる選別色も鮮明です。
株価が強さを見せる半面、債券市場では米10年債利回りが前日比0.053%高の4.692%まで上昇しました。一般的に長期金利の上昇は、将来利益への期待が高いグロース株にとって評価面の重荷になりやすいため、好決算による株高と高金利への警戒が同時に存在する状況です。
さらに為替市場では、日米通貨当局による介入への警戒などから急速な円高・ドル安が進み、ドル円は一時157円台まで下落。その後も157.30円前後で神経質な値動きが続きました。米国株にとって直接的な悪材料とは限りませんが、日本株、とりわけ輸出企業にとっては週明けの重要な材料になります。
商品市場では、中東情勢への警戒や米国の原油在庫が低水準にあるとの懸念からWTI原油先物が前日比1.08ドル高の84.67ドルまで上昇しました。原油高はエネルギー企業には追い風となる一方、燃料費や輸送費を通じてインフレ圧力を強める可能性があり、長期金利とあわせて確認しておきたい材料です。
それでもVIX指数は前日比1.10ポイント低い15.99となり、株式市場の不安心理は後退しました。好決算と米景気の底堅さが投資家心理を支える一方で、金利、原油、為替には不安定さが残っており、株価だけを見れば強いものの、周辺環境まで含めると単純なリスクオンとは言い切れない相場だったと考えられます。
米国市場のまとめ|好決算が株価を支える一方で金利に警戒
- 主要3指数はそろって上昇し、ハイテク株が相場をけん引。
- アマゾンの好決算を受け、AI・クラウド関連にも買いが波及。
- 米10年債利回りは4.692%へ上昇し、高金利への警戒は残る。
- 為替市場では急速な円高・ドル安が進み、157円台まで下落。
- 原油高も続いており、金利・為替とあわせて今後の焦点。
日本市場(8月3日)|急速な円高が輸出株を直撃
3日の日本市場は、前週末の米国市場で主要3指数がそろって上昇したにもかかわらず、寄り付きから売りが先行しました。大きく意識されたのが急速な円高で、片山財務相が日米両政府による協調的な為替介入を実施したと明らかにしたことから、ドル円は一時155円台前半まで円高方向へ進みました。
米国株高は本来なら日本株にも追い風となりやすい材料ですが、輸出企業にとっては為替の急変がそれ以上の重荷となった形です。一般的に円高が進むと、海外で稼いだ利益を円に換算した際の金額が目減りしやすく、自動車や電機など海外売上比率の高い企業では業績への警戒が強まりやすくなります。
その影響から日経平均は前営業日比607.12円安の63,754.90円となり、3営業日ぶりに反落。TOPIXも43.27ポイント安の3,960.03となり、こちらも上昇が途切れました。さらに午前10時過ぎには日経平均の下げ幅が一時1,600円を超え、為替の急変に対する市場の警戒が強く表れています。
その後は売りが一巡し、日経平均も安値からは下げ幅を縮小しましたが、追加介入への警戒が残る中では積極的に押し目を拾う動きも限定的でした。為替がどこで落ち着くのか見通しにくい状況では、輸出企業の業績前提そのものが変わる可能性もあるため、株価が下がっただけで買い向かうのは難しい局面です。
東証プライム市場では、値上がり464銘柄に対して値下がり1,060銘柄と売りが優勢でした。売買代金は11兆7,886億円、売買高も28億2,409万株に達しており、値動きの荒さとともに活発な売買が行われています。
業種別では、円高への警戒からトヨタ自動車など輸送用機器が売られたほか、不動産業や陸運業も軟調でした。一方で、精密機器や空運業には買いが入り、円高の影響は業種によって異なります。輸入コストが低下する企業にとっては円高が追い風となる場合もあるため、市場全体が下落していても一律に悪材料とは言えません。
個別株では、決算内容が嫌気されたファナックやアドバンテストが大きく売られ、指数を押し下げました。その一方、自社株買いを発表したキオクシアホールディングスや、堅調な決算を示したファーストリテイリングには買いが入り、荒れた相場の中でも企業独自の材料を評価する動きは残っています。
急速な円安の是正は、中長期的には輸入コストの低下につながる一方、短期的には輸出企業の採算悪化への警戒を強めます。前週末まで株価が上昇していた反動も重なっただけに、今後は追加の為替介入があるのか、円相場がどの水準で落ち着くのか、そして各企業が想定為替レートをどう見直すのかが重要になりそうです。
日本市場のまとめ|円高警戒で幅広い銘柄に売り
- 日経平均は607.12円安となり、3営業日ぶりの反落。
- 協調介入への警戒から円高が進み、輸出関連株に売りが集中。
- 日中には下げ幅が一時1,600円を超える荒い値動き。
- 東証プライムでは値下がり1,060銘柄と、売り優勢の地合い。
- 今後は追加介入の有無と、円相場の落ち着きどころが焦点。
トレード銘柄|デイトレを見送り長期側の買い増しを優先
楽天証券|積み立て投資
特定口座
- 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,030.0円
数 量: +1口
合 計: 1口
SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 3231 野村不動産ホールディングス
株 価: 906.0円
数 量: +5株
合 計: 35株 - 3798 ULSグループ
株 価: 555.0円
数 量: +10株
合 計: 140株 - 7013 IHI
株 価: 2,735.0円
数 量: +2株
合 計: 23株 - 7327 第四北越フィナンシャルグループ
株 価: 2,274.0円
数 量: +1株
合 計: 30株
売却銘柄
- なし
ポートフォリオ決算チェック|三菱商事と三菱UFJ
- 8058 三菱商事|1Q最終利益47%増
三菱商事は第1四半期の最終利益が前年同期比47%増となり、好調な滑り出しとなりました。2024年8月の「植田ショック」で株価が大きく下落した際に購入できたことで、すでに投資元本を回収する恩株化も完了し、現在は十分な含み益が出ています。
資源価格によって業績が左右される側面はあるものの、現在の利益水準と保有状況を踏まえ、さらなる株価上昇を狙った追加購入も検討しています。 - 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ|経常利益58%増
三菱UFJフィナンシャル・グループは、第1四半期の経常利益が前年同期比58%増と大幅な増益でした。日銀の利上げに伴う利ざや拡大も追い風として意識され、三菱商事と同様に大きな含み益につながっています。
一般的に銀行は金利上昇局面で貸出金利の上昇による収益改善が期待されやすく、足元の業績モメンタムも良好です。今後の金融政策を確認しながら、引き続き買い増し候補として見ていきたいと考えています。
7月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|荒れ相場では短期売買を休み、長期側へ資金を回す
前週末の米国市場は主要3指数がそろって上昇したものの、週明けの日本市場では急速な円高が大きな逆風となりました。日経平均の下げ幅が一時1,600円を超える中では、値上がりしている銘柄があったとしても、短時間で地合いが変わるリスクがあります。
そこで、この日はデイトレードで無理に利益を狙うことをせず、完全に様子を見る判断を選びました。荒れている日に取引しないこともリスク管理の一つであり、短期側で無理をしない代わりに、中長期のポートフォリオを整えることへ意識を切り替えています。
楽天証券では、これまで積み立ててきた2865 GXNDXカバコが目標口数に達したため、新たに563A GXNAS100Dカバコの積み立てを開始しました。
563Aを新しい積み立て先として選んだ理由の一つが、1口あたりの価格です。2865と比較して購入単価を抑えやすく、毎月の資金状況に応じて口数を調整しやすい点を評価しています。
もう一つが、値上がり益への期待です。日次でカバード・コールを行う仕組みのため、月次で運用する2865と比較すると、原資産の上昇局面に一定程度追随しやすいと考えています。分配金によるインカムゲインだけでなく、キャピタルゲインも狙える新たな積み立て先として、少しずつ育てていく予定です。
一方、SBI証券では相場全体の急落によってポートフォリオも大きく崩れ、どの銘柄をどこまで買い増すか判断に時間を使いました。
ここで思い出したのが、2024年8月の「植田ショック」です。当時は急激な下落への恐怖から、思うように買い進められませんでした。それでも、あの局面で購入できた銘柄の一部は、その後の相場回復によって大きな含み益を抱えるポジションへ成長しています。
その経験もあり、今回は下落そのものを恐れて何もしないのではなく、保有を続けたい銘柄については通常より少し多めに単元未満株を買い増す方針を取りました。ただし、急落しているから無条件に買うわけではなく、企業ごとの業績や取得単価も確認しながら判断しています。
その中でも特に悩んだのが野村不動産ホールディングスです。同社は直近の第1四半期決算で経常利益が前年同期比36%減となり、その影響から株価も大きく下落。株価低下によって配当利回りは5%近くまで上昇しており、利回りだけを見れば魅力的な水準に映ります。
ただ、高配当株では「利回りが上がったから買う」だけでは不十分です。株価下落の理由が一時的なものなのか、それとも将来の配当を支える業績そのものが悪化しているのかを分けて考える必要があります。
そこで確認したのが、同社が掲げる「総還元性向40~50%、DOE4%を下限」とする株主還元方針です。DOEは自己資本を基準として配当を考える指標のため、株価が下落しただけで配当下限まで自動的に引き下がるわけではありません。
一方で、今回の第1四半期のような業績停滞が長期化し、最終赤字などによって自己資本そのものが大きく減少すれば、理論上はDOEを基準とした配当水準にも影響が及ぶ可能性があります。そのため、5%近い配当利回りだけを理由に一気に買い増すことには慎重になりました。
ただし、野村不動産ホールディングスはこれまで増配を積み重ねてきた実績があり、株主還元への姿勢も強い企業だと見ています。足元の減益だけで直ちに減配へ向かうと決めつける必要もなく、業績の進捗を見ながら判断する余地は十分にあります。
結果として、この日は5株だけを追加しました。配当利回りの魅力と還元方針への信頼はあるものの、第1四半期の業績には不透明さが残ります。買うか見送るかの二択ではなく、株数を抑えながら段階的に入ることで、今後さらに下落した場合にも追加購入できる余力を残しました。
相場が大きく崩れた日は、すべての銘柄が割安に見えやすくなります。しかし、下落率や配当利回りだけを見て買うのではなく、「なぜ下がっているのか」「今の業績で配当を維持できるのか」「追加後の取得単価は許容できるのか」まで確認することが重要です。
今回はデイトレードを休む一方で、積み立て投資を新しい段階へ進め、単元未満株では保有銘柄を選んで買い増しました。短期のチャンスを無理に追わず、荒れ相場を中長期側のポートフォリオ調整へ利用できたことが、この日の大きな振り返りとなります。


