米国株がハイテク主導で大きく買われた一方、為替介入への警戒感から一転して強烈な円高が襲い掛かり、日本市場は前週末の上げ幅を吹き飛ばすような荒れ模様となりました。日米の金利差や地政学リスク、世界的な政治・経済の動きがどのように絡み合い、株式市場の急激な変動に繋がったのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、前夜の米国市場から本日の日本市場へのバトンタッチの様子をはじめ、急落局面において楽天証券で進めた積立投資や、SBI証券で実施した高配当株のスイングトレードの内容まで余すことなくまとめています。なお、本文に記載している『銘柄名』のテキストからは、それぞれの銘柄に関する過去の取引記録や分析をまとめた記事へアクセスできるようリンクを設定しておりますので、過去のトレード経緯とあわせてご活用いただけますと幸いです。
激しく揺れ動く相場環境の中だからこそ、一日の流れを冷静に振り返り、次のアクションに活かしていく姿勢が欠かせません。この記事を通して今日の市場で起きた出来事を整理し、ご自身のポートフォリオ管理や今後の投資判断をより確かなものへアップデートしていきましょう。
2026年8月3日の市況|主要指数の動きと足元の相場環境
主要指数(8月3日時点)
日経平均:63,754.90(-607.12)
TOPIX:3,960.03(-43.27)
NYダウ:52,485.03(+276.97)
NASDAQ:25,373.85(+251.68)
S&P500:7,489.72(+52.09)
米国市場(7月31日)
31日の米国市場は、主要3指数が揃って上値を追う力強い展開となりました。優良株で構成されるNYダウは前日比+276.97ポイント高の52,485.03ポイントで取引を終えています。また、ハイテク株の比率が高いNASDAQは前日比+251.67ポイント高の25,373.85ポイント、主要500社で構成されるS&P500も前日比+52.09ポイント高の7,489.72ポイントと、それぞれしっかりとした足取りで続伸して取引を締めくくりました。良好な企業決算の発表や底堅い経済指標が市場の支えとなり、投資家のリスクを積極的に取る姿勢が全体を引っ張る一日となっています。
この好調な相場を牽引する大きな原動力となったのが、前日夕方に発表された好決算を受けたアマゾン・ドット・コムでした。同社の株価は15%を超える急伸を見せ、存在感を示しました。この好決算をきっかけにAI分野やクラウド事業に対する成長期待が改めて高まり、アルファベットやマイクロソフト、エヌビディアといった他の主要ハイテク銘柄にも安心感から買いが広がっています。その一方で、直近で提示された決算内容や将来の収益見通しが物足りないと受け止められたアップルが軟調に推移し、指数の重荷となるなど、個別銘柄の選別が進んでいる状況も垣間見えます。
金融市場や商品市場に目を向けると、いくつか注目すべき変動が見られました。債券市場では米10年債利回りが前日比+0.053%上昇し4.692%に達したことで、金利が高止まりすることへの警戒感や米連邦準備理事会による引き締め的な姿勢が意識される要因となっています。為替市場においては、日米通貨当局による介入への警戒が急浮上したことなどを受け、急激な円高・ドル安が進行しました。ドル円は一時1ドル157円台まで押し戻され、その後も157.30円前後で神経質な推移を続けています。さらにWTI原油先物は、中東地域の緊張感や米国の原油在庫が低水準にあることへの懸念から買われ、1バレル84.67ドル(前日比+1.08ドル)と値を上げて取引を終えました。
そうした中で、市場の不安心理を反映するVIX恐怖指数は前日比-1.10低下の15.99となり、投資家心理の落ち着きを示しています。良好な米経済指標や大手ハイテク企業の好決算が相場に心地よい安心感をもたらす一方で、長期的には米金利の高止まり懸念や中東を巡る地政学リスク、さらには為替の荒い値動きが、引き続き今後の行方を占う上で目を離せないポイントとなりそうです。
米国市場全体のまとめ
1.主要3指数はアマゾン・ドット・コムの好決算などを背景に揃って続伸した。
2.前日夕方に発表された決算が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コムが15%超急伸した。
3.米10年債利回りが4.692%へ上昇し、FRBによる金利高止まり観測が意識された。
4.日米通貨当局による為替介入観測などを背景に急激な円高・ドル安が進行した。
5.中東情勢の緊迫化や米原油在庫の減少懸念からWTI原油先物が上昇した。
日本市場(8月3日)
米国市場でのアマゾン・ドット・コムの決算が好感されて株価が上昇する一方、米長期金利の押し上げが進むなか、片山財務相が日米両政府による協調的な為替介入を実施した旨を正式に明かしました。これを受けて外国為替市場では一時1ドル=155円台前半に達する急激な円高が進行することとなりました。この政府や日銀による円買い介入に対する強い警戒感と、輸出企業における今後の業績悪化への懸念が日本市場に重くのしかかり、前週末にかけて株価を切り上げていた反動も重なって、取引開始直後から幅広い銘柄で売りが先行する展開となっています。
週明けの日本市場において、日経平均は前日比607.12円安の63,754.90円と3日ぶりに反落して一日を終えました。あわせてTOPIXも前日比43.27ポイント安の3,960.03ポイントと連動して連高がストップしています。朝方から売りが優勢で始まった日経平均は、政府による為替介入の発言をきっかけに円高が急速に進んだことや、アジア周辺市場の不調も重なり、午前10時過ぎには下げ幅が一時1,600円を超える激しい場面もありました。その後は一通りの売りが出尽くして下値を試す動きは和らいだものの、さらなる追加介入への警戒感が根強く残っており、押し目を拾う動きは限定的な範囲にとどまっています。
東証プライム市場の出来高概算は28億2,409万株、売買代金概算は11兆7,886億円と、非常に活発な売買が交わされました。市場全体の騰落状況をみると、値上がりした銘柄は464銘柄にとどまったのに対し、値下がりした銘柄は1,060銘柄にのぼり、全体の大半にあたる6割以上の銘柄が下落する厳しい内容です。急速な円高の進行を受けて、トヨタ自動車をはじめとする輸送用機器や不動産業、陸運業などが値を下げた一方、精密機器や空運業などは買われてしっかりとした動きを見せました。個別では、発表された決算内容が嫌気されたファナックやアドバンテストが大きく売られて指数を引き下げた反面、自社株買いを発表したキオクシアホールディングスや堅調な決算を示したファーストリテイリングなどは買いを集めて落ち着いた推移を見せています。
今回の下落背景には、過度な円安や不自然な相場変動に対応するため、日米両政府が協調して介入へ踏み切ったと明言され、今後の追加実施も視野に入っていることから、為替相場の大きな流れの変更が意識された点があります。急速な円安の是正は、中長期的には輸入コストを抑える恵みとなるものの、短期的には輸出企業の採算悪化や下半期業績の落ち込みに対する不安を投資家に抱かせる結果となりました。前週末までの株価上昇によって達成感が出やすいタイミングでもあったため、当面は政府の為替政策と各企業の決算動向を慎重に見極めながらの取引が続きそうです。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均は前日比607.12円安の63,754.90円となり、3日ぶりに反落して取引を終えた。
2.片山財務相が日米両政府による協調的な為替介入を実施したと正式に言及した。
3.日米当局による追加介入への警戒から日中の下げ幅が一時1,600円を超える場面があった。
4.東証プライム市場の売買代金は11兆7,886億円となり、値下がり銘柄数が1,060銘柄に達した。
5.急速な円高進行を嫌気してトヨタ自動車などの輸出関連株が売られた。
トレード銘柄|本日の取引内容
楽天証券|積み立て投資
特定口座
- 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,030.0円
数 量: +1口
合 計: 1口
SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 3231 野村不動産ホールディングス
株 価: 906.0円
数 量: +5株
合 計: 35株 - 3798 ULSグループ
株 価: 555.0円
数 量: +10株
合 計: 140株 - 7013 IHI
株 価: 2,735.0円
数 量: +2株
合 計: 23株 - 7327 第四北越フィナンシャルグループ
株 価: 2,274.0円
数 量: +1株
合 計: 30株
売却銘柄
- なし
ポートフォリオ内の決算銘柄
- 8058 三菱商事
1Q(4-6月期)の最終利益は前年同期比47%増益と好調な滑り出し。植田ショックの底値で仕込めたことで恩株化も完了し、十分な含み益が出ています。資源価格に左右される側面はありますが、さらなる株価上昇を狙って追撃買いを検討中です。 - 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ
1Q(4-6月期)経常利益は58%増益と、決算発表から素晴らしい伸びを見せています。日銀の利上げに伴う利ザヤ拡大の追い風もあり、三菱商事同様に大きな含み益をもたらしてくれました。業績のモメンタム的にもまだまだ上値を追えると判断し、積極的に買い増しを狙いたい1銘柄です。
7月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|本日の振り返りと今後の立ち回り
週末の米国市場は心地よい上昇で終えたものの、為替介入と見られる急激な円高が押し寄せました。これを受けて週明けの日本市場は全面安の厳しい展開となっています。一部に値を上げている銘柄はあるものの、焦って飛び込んで予想外の痛手を負うリスクが高いため、本日のデイトレードは完全に様子見とする判断を下しました。こうした荒れ模様の相場環境だからこそ、中長期の資産形成に向けたポートフォリオの調整と買い増しを着実に進めています。
これまでコツコツと積立を行ってきた「2865 GXNDXカバコ」が目標とする口数に達したため、本日から新たに「563A GX NASDAQ100」の積立をスタートさせました。 今回563Aを新しく選択した理由は以下の通りです。
- 扱いやすい単価設定:2865と比べても1口あたりの価格が手頃で、毎月の資金配分が柔軟におこなえる。
- 値上がり益(キャピタルゲイン)の狙いやすさ:日次(デイリー)でカバード・コールをおこなう仕組みのため、従来の月次で運用するカバコ(2865)と比較して原資産の上昇局面でしっかりと追随しやすく、値上がり益も一定程度期待できる。
インカムゲインとキャピタルゲインの両取りを狙う新たな軸として、じっくり育てていく予定です。
本日は市場全体が大きく売られたことで、自身のポートフォリオも崩れる形となりました。どの銘柄をどのくらい買い増すべきか、判断にかなり時間を費やした一日です。過去を振り返ると、2024年8月のいわゆる「植田ショック」の際、恐怖心に呑まれて思うように買い進めることができなかった苦い記憶が残っています。しかし、あの急落局面で勇気を出して仕込むことができた銘柄は、その後の相場回復局面で非常に頼もしいポジション(含み益)となって自分を助けてくれました。先行きが見通しにくい不安定な相場ではありますが、「下落局面こそ仕込みのチャンス」と捉え直し、今回は通常よりも少し多めに単元未満株を買い増していく方針を選びました。
買い増しを進める中で、特にじっくりと思考を巡らせたのが野村不動産ホールディングスです。 同社は先日発表された1Q決算にて経常利益が前年同期比-36%となり、株価が大きく値を下げました。その影響で配当利回りは5%近くまで上昇しており、数字だけを見れば絶好の買い場のように映ります。
ここで注視したいのが、同社が掲げている「総還元性向40%~50%、DOE(株主資本配当率)4%を下限」という株主還元の方針です。 DOEは自己資本(純資産)をベースに計算されるため、株価の下落そのもので下限配当が勝手に下がってしまうわけではありません。しかし、仮に今回の1Qで見られたような業績の停滞が長引き、最終赤字などで「自己資本」そのものが大きく削られていく事態になれば、理論上は配当下限も押し下げられ、将来的な減配リスクに繋がる可能性も頭をよぎります。
ただ、同社は長年にわたって増配を重ねてきた素晴らしい実績があり、株主還元に対する意識は非常に高い企業だと感じられます。そう簡単に減配へと舵を切る可能性は低いのではないかとも考えられます。
配当利回り5%台という魅力と堅固な還元方針への信頼感はあるものの、足元の業績進捗が不透明であることも無視できません。全体のリスクを適切にコントロールするため、本日の買い増しに関しては少し控えめな株数にとどめておくという判断に落ち着きました。

