2025年7月16日のデイトレードは、米国市場のインフレ懸念や為替の影響を背景に不安定な展開となりました。インフォメティスやハーモニック・ドライブといった注目銘柄に慎重な指値で挑んだものの、地合いの変化に翻弄された一日。思うように伸びず、収支は小幅ながらプラスで着地しました。本記事では、実際の取引記録をもとに、地合いに対する対応力や出口戦略の課題を深掘りし、今後の改善につなげていきます。
2025年7月16日の市況|米インフレとトランプ発言が市場を揺らす
主要指数(7月16日時点)
日経平均:39,663.40(-14.62)
TOPIX:2,.819(-5.91)
NYダウ:44,023.29(-436.36)
NASDAQ:20,677.80(+37.47)
S&P500:6,243.76(-24.80)
米国市場(7月15日)
7月15日(火)の米国市場は、インフレの加速とトランプ大統領の強硬発言が重なり、株式・債券ともに不安定な動きに。波乱含みの展開となりました。
この日発表された6月のCPIは、前年同月比+2.7%と前月(+2.4%)から上昇。家具や衣料品といった輸入品に課された関税の影響が表れた格好で、利下げを期待していた市場には冷や水となりました。
これを受けて、S&P500は0.4%下落(6,243.76)、NYダウは約1%安(44,023.29)と値を崩しました。一方、ナスダックは+0.2%(20,677.80)と上昇を維持。NvidiaのH2O AIチップが中国市場で再販売されたことが好感され、同社株は約4%高。テック株の強さが際立ちました。
金利市場も動揺し、米10年債利回りは4.49%に上昇、30年債は5%超えと債券売りが進行。これは「利下げどころか、様子見が長引くのでは?」という観測から来ています。
その背景には、トランプ大統領の強烈なコメントも。FRBに対して「3ポイント以上の緊急利下げを要求」と発言し、パウエル議長を名指しで批判。「影の議長」構想まで示唆するなど、中央銀行の独立性に疑問符がつき、市場の不安要素として重くのしかかりました。
ただ、AIや半導体といった成長テーマ株には引き続き資金が流入。NvidiaやAMDの上昇がナスダックを押し上げ、相場の“二極化”がいっそう際立つ一日となりました。
日本市場(7月16日)
7月16日(水)の日本市場は、日経平均が前日比14円62銭安の39,663円40銭、TOPIXは2,819.40と5.91ポイント安で小幅に反落。方向感に乏しく、やや神経質な展開でした。
午前中は軟調スタートで、寄り付き直後に一時35円ほど下落。後場に入ってから一時的な買戻しも見られましたが、結局は前日終値付近に戻され、終日もみ合いの動きが続きました。
背景にあったのは、米CPIを受けたドル高・円安(1ドル=148円台)による外部環境の不透明さ。加えて、参院選を控えた与党の苦戦報道が市場心理を冷やし、投資家の慎重姿勢が目立ちました。
業種別では、パルプ・輸送・通信株が指数を押し下げた一方で、ヘルスケアや素材関連では一部の銘柄が反発。なかでも東宝が約10.9%高で高値更新を果たすなど、個別株への物色は続いていました。一方で、レーザーテックは約5%の大幅下落。銘柄ごとの値動きが大きく、相場の方向性が見えにくい一日でした。
また、日経平均のIV(インプライド・ボラティリティ)指数は23.55へ低下。これは投資家の警戒感がやや緩和したことを示しますが、依然として「地合いは様子見ムード」といった印象。
為替相場では、ドル円は148円台後半でもみ合い。米長期金利の上昇とインフレ指標を受けてドル買いが強まったものの、148.80円付近では上値が重く、円安もいったん一服した印象です。
総じて、複数のリスク要因が重なり、相場の明確な方向性が見えない一日となりました。
デイトレード銘柄|慎重な指値
デイトレード銘柄|慎重な指値が裏目に?地合いに振り回された一日
楽天証券
- 281A インフォメティス
株 価: 1,228.0 → 1,233.0
約定時間: 09:13:19 → 10:33:06
収 支: +500円
狙 い: 前日からの上昇が継続。売買代金ランキングでも上位に入り、押し目狙いでイン。地合いの悪化を警戒しやや慎重に指値を設定。 - 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ
株 価: 2,631.0 → 2,634.0
約定時間: 11:00:41 → 12:45:36
収 支: +300円
狙 い: 売買代金ランキング上位。板の勢いが良く、短期のリバウンドを期待してタイミングを見てエントリー。

SBI証券
買い増し銘柄
- 2163 アルトナー +1株(合計32株)
7月の配当権利取りを視野に、戦略的な追加購入。取得単価はやや上昇したものの、高配当+中長期保有を目的としたポジション構築を継続中。
売却銘柄
- なし
反省点|慎重さと視野の狭さ、どちらも課題
インフォメティスは慎重な指値設定が仇となり、下落局面で約定。結果として売却後にストップ高へ到達し、利確のタイミングが早すぎた点は悔やまれ、トレンドに乗る勇気と出口戦略の再構築が課題です。
ハーモニック・ドライブでは板を見てのエントリーが裏目に。短期の動きに偏り、チャートの大局観が不足していたことで一時含み損も。今後は長めの時間軸でチャートを確認する習慣をつけていきたいところ。
今日の取引は2銘柄とも保有時間が長めで集中力を使う展開に。午後の地合い悪化や出来高の細りで新たなエントリー候補が見つからず、早めに終了する判断に。午前中の時間をどう活かすか、地合いの変化への柔軟性を高める必要を感じました。