ファースト・リパブリック銀行の破綻に続き、FRBは追加利上げを決定する一方、米雇用統計では依然として強い労働市場が示されました。銀行不安と金融引き締めが同時進行するなか、日本株への影響や本日の市場動向、保有株と単元未満株の投資状況から今後の相場を考えます。
銀行破綻とFRB利上げ、米国経済に広がる金融不安
ゴールデンウイーク直前、米国のファースト・リパブリック銀行が破綻し、SVB(シリコンバレー銀行)から続く銀行不安が再び市場で意識されることになりました。その後の米国株も不安定な値動きとなっており、一つの銀行が破綻したという問題だけではなく、急速な利上げによる影響が金融システム全体へどこまで広がるのかが重要になっています。
一方、ファースト・リパブリック銀行についてはJPモルガン・チェースが全預金と資産の大部分を引き継いだことで、預金者を巻き込んだ混乱が拡大する事態はいったん回避されています。SVBの破綻以降、米国当局は金融システムへの不安が広がらないよう対応を続けていますが、それでも短期間に複数の銀行が破綻したという事実を考えれば、「一件落着」と考えるにはまだ早いように感じます。
特に気になるのは、銀行破綻そのものよりも、その背景にある金利上昇です。インフレを抑えるために進められてきた金融引き締めが銀行の保有資産や資金調達に負担を与える一方、銀行不安が強まれば金融機関が融資姿勢を厳しくし、それが企業活動や個人消費を通じて実体経済を冷やす可能性もあります。銀行問題と金融政策を別々に見るのではなく、一つの流れとして追っていく必要がありそうです。
FRBは0.25ポイント利上げ、政策金利は5.00~5.25%へ
こうした銀行不安が残るなかで注目されたFOMCでは、FRBが政策金利を0.25ポイント引き上げ、フェデラルファンド金利の誘導目標を5.00~5.25%としました。銀行問題が表面化しているだけに利上げを停止する可能性も意識されていましたが、インフレが依然として高い水準にある以上、FRBとしても簡単に金融引き締めを終了できない難しさがあります。
ただし、利上げの影響は政策金利だけを見て判断できるものではありません。金利上昇によって企業や個人の借入負担が増えることに加え、銀行が融資基準を厳格化すれば、実質的には追加的な金融引き締めと似た効果が生じる可能性があります。実際にFRBも銀行部門の動向によって家計や企業への信用条件が厳しくなり、経済活動や雇用、インフレに影響する可能性を指摘しているため、今後は政策金利だけではなく銀行の融資動向にも注意しておきたいところです。
米雇用統計は失業率3.4%、利上げと景気後退懸念の綱引き
金融不安や景気後退への警戒が強まる一方、米雇用統計を見る限りでは労働市場が急速に悪化している様子はありません。失業率は3.4%と前回から改善し、非農業部門雇用者数も25.3万人増となったため、少なくとも雇用という側面から見れば米国経済には依然として底堅さが残っています。
これは景気の強さを示す材料として株式市場にとって安心材料になり得る反面、FRBの立場から考えれば金融引き締めを長期化させる理由にもなり得ます。景気が強ければ企業業績を支える一方、強すぎる経済はインフレを長引かせる可能性があるため、「良い経済指標だから株価も上がる」と単純に考えられないのが現在の相場の難しいところです。
銀行破綻、利上げ、そして強い雇用という一見すると方向性の異なる材料が同時に存在しているからこそ、現時点で経済危機や景気後退を決めつけるのではなく、銀行の信用不安が実体経済へ波及していくのか、それとも雇用の強さによって米国経済が持ちこたえるのかを確認していきたいと思います。
日経平均は28,949円まで下落、銀行株と保険株が軟調
連休明けの日本市場では、米国の銀行不安やFRBの利上げを受けてどこまで売りが広がるのか気になっていましたが、日経平均株価は28,949.88円と前日比208.07円安で取引を終えました。29,000円を割り込む形にはなったものの、米国で相次いだ銀行破綻を考えれば日本市場全体が大きく崩れたという印象ではなく、現時点では米国金融不安の影響は限定的だったように感じます。
業種別では銀行業が33業種中32位、保険業も29位と金融関連が弱く、米国の銀行問題に対する警戒が日本の金融株にも波及したことは意識しておく必要があります。一方、日経平均の下落には指数寄与度の大きい銘柄の値動きも影響するため、日経平均が200円以上下落したという数字だけで日本株全体が弱かったと判断するのではなく、自分が保有している銘柄や業種ごとの資金の動きを確認することが重要です。
実際、僕の保有銘柄を見ると日経平均が下落しているにもかかわらず上昇している銘柄が多く、資産全体では前日比プラスとなりました。指数と自分のポートフォリオが必ずしも同じ方向へ動くわけではないことを改めて感じる相場であり、こうした局面では日経平均だけを見るのではなく、どの業種や銘柄に資金が向かっているのかまで確認していきたいところです。
新型コロナ5類移行で観光・消費関連株にも注目
金融市場とは別の大きな変化として、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行し、これまで各業界で設けられていた感染対策も大きな転換点を迎えました。社会活動がさらに正常化へ向かうことで、人の移動や外食、旅行、レジャーなどの需要が拡大すれば、関連企業の業績にも追い風となる可能性があります。
東京ディズニーリゾートでもミッキーマウスなどキャラクターとのハグが再開されるなど、数字だけでは見えにくいところでも日常が戻りつつあります。銀行破綻や利上げといった海外発の不安材料が目立つ一方、国内では経済正常化というプラス材料も存在しているため、相場全体を悲観するのではなく、インバウンドや旅行、レジャー、外食など、経済再開の恩恵を受けやすい業種への資金の動きにも注目していきたいと思います。
本日のデイトレは取引なし、保有株の値動きを確認
本日のデイトレードについては新規取引を行わず、保有銘柄の値動きを確認する一日となりました。連休明けということに加えて、米国ではファースト・リパブリック銀行の破綻やFOMCを通過したばかりであり、相場がどちらへ動くのかを見極めたいという気持ちもあったため、無理に利益を狙ってエントリーするよりも、まずは市場の反応を見ることを優先しています。
楽天証券で保有している4銘柄についてはすべて含み損となっていますが、そのなかでもリニューアブル・ジャパンは買値付近まで株価を戻してきました。含み損が解消しそうになると「ここで売ってしまおうか」という気持ちも出てきますが、買値に戻ったという理由だけで判断するのではなく、ここから上昇を続けられるのか、それとも再び下落へ転じるのかを見ながら次の行動を決めたいと思います。
デイトレードは毎日必ず取引しなければならないものではなく、条件の良い銘柄が見つからない日や相場の方向性を判断しにくい日は、何もしないことも一つの選択肢です。特に現在のように銀行不安や金融政策によって海外市場が大きく動きやすい環境では、ポジションを持っていないこと自体がリスク管理になるため、焦らず次のチャンスを待ちます。
INPEX・キリンHD・JT・日本製鉄を単元未満株で買い増し
デイトレードでは新規取引を見送った一方、SBI証券では中長期保有を目的とした単元未満株の買い増しを進めており、現在はINPEX、キリンホールディングス、JT、日本製鉄の4銘柄を中心に購入しています。
単元未満株は一度に大きな資金を投入するのではなく、株価の動きを見ながら少しずつ保有数を増やせるため、こうした先行きの読みにくい相場では使いやすい投資方法だと感じています。特に日経平均が下落しているからという理由だけで機械的に買うのではなく、企業の業績や配当、株価水準を確認しながら、長期的に保有したいと思える銘柄を少しずつ積み上げていく方針です。
本日は日経平均が下落したものの、保有銘柄の多くは上昇したことで資産全体では前日比プラスとなりました。短期的な指数の上下に振り回されるのではなく、デイトレードではチャンスがなければ無理に入らず、中長期投資では条件の合う銘柄を少しずつ買うというように、投資期間によって戦略を分けながら資産形成を続けていきたいと思います。
まとめ|銀行破綻と利上げが実体経済へ波及するかを見極める
ファースト・リパブリック銀行の破綻はJPモルガン・チェースによる預金と資産の引き継ぎによって一定の対応が進みましたが、SVBを含め短期間に複数の銀行が破綻したことを考えれば、米国の金融不安が完全に収束したと判断するにはまだ早そうです。さらにFRBは銀行不安が残るなかでも追加利上げを実施しており、今後は金利上昇と銀行の融資姿勢の変化が実体経済へどこまで影響するのかが重要になります。
その一方で米雇用統計では労働市場の強さが確認されており、現時点で米国経済が急速に悪化しているとは言い切れません。銀行破綻という不安材料、FRBの金融引き締め、そして底堅い雇用という複数の材料が入り交じっているからこそ、一つのニュースだけを見て経済危機や景気後退を決めつけるのではなく、それぞれのデータがどの方向へ変化していくのかを追っていく必要があります。
僕自身の投資についても、本日はデイトレードを無理に行わず、中長期では単元未満株の買い増しを進めました。相場が大きく動くと何かしなければならないような気持ちになりますが、短期と長期の投資を切り分けながら、チャンスがないときには待ち、条件が整ったところで資金を投入する姿勢を続けていきたいと思います。

