FOMCでの利上げ観測が急速に高まり、米10年債利回りが5%を突破するなか、前夜の米国市場は主要3指数がそろって続落しました。それでも16日の日経平均は438.90円高と反発しています。米国株が下落するなか、なぜ日本市場は上昇する展開となったのでしょうか。
米国では原油価格の上昇がインフレへの警戒につながり、FOMCを前に金利上昇への慎重な見方が広がりました。一方の日本市場では、米国の半導体関連株の一角が買い戻された流れに加え、エネルギーや防衛関連株、企業独自の材料を手掛かりとした物色もみられ、日経平均は4営業日ぶりに反発しました。ただ、FOMCの結果発表を控えていることもあり、相場の方向を見極めにくい一日だったように感じます。
この記事では、こうした米国市場から日本市場へとつながった一日の流れを整理しながら、楽天証券で行ったZENMUTECHのデイトレードと、SBI証券でのトライアルホールディングスの買い増し、その判断を振り返ります。なお、本文に記載している各トレード銘柄の「銘柄名」には、その銘柄に関する過去の取引記録へアクセスできる過去記事リンクを設定しています。日々変化する相場を一緒に振り返りながら、次の投資判断を少しずつアップデートしていきましょう。
2026年9月16日の市況|日経平均は4営業日ぶり反発、FOMCを前に米金利と原油高を警戒
主要指数(9月16日時点)
日経平均:63,923.00(+438.90)
TOPIX:4,061.72(+24.56)
NYダウ:52,093.11(-328.09)
NASDAQ:25,981.57(-204.84)
S&P500:7,585.73(-34.25)
米国市場(9月15日)
15日の米国市場は主要3指数がそろって続落し、NYダウは前日比328.09ポイント安の52,093.11、NASDAQは204.84ポイント安の25,981.57、S&P500は34.25ポイント安の7,585.73で取引を終えました。前日に続いて売りが優勢となり、なかでもNASDAQの下げが目立つ展開となっています。S&P500の主要11業種ではエネルギーが上昇した一方、一般消費財などが下落しており、原油高の恩恵を受けやすいエネルギー関連株と、それ以外の銘柄との明暗が分かれました。
この日の相場を大きく左右したのが、原油価格と米国債利回りの上昇です。WTI原油先物は1バレル105.83ドルで取引を終え、前日から4.44ドル上昇しました。サウジアラビアの東西パイプラインへの攻撃によるヤンブーでの原油積み出し停止に加え、リビアでも一部油田の生産が停止するなど供給面への警戒が強まり、中東情勢を背景としたエネルギー価格の上昇が米国のインフレを長引かせるのではないかとの見方につながったようです。
さらに、原油高によるインフレ懸念とFRBの利上げ観測を背景に、米10年債利回りは一時5%を突破しました。長期金利の上昇は企業の資金調達コストを押し上げるだけでなく、債券の投資妙味を高めることで株式の相対的な魅力を低下させるため、将来の成長期待を株価に織り込みやすいハイテク株には逆風となったのではないでしょうか。AI関連株への慎重な見方も残っており、前日に大きく下落した半導体株は小幅に反発したものの、市場全体を押し上げるほどの勢いには至りませんでした。
そして、投資家が最も意識しているのが9月15~16日に開催されているFOMCです。直近のインフレ指標や原油価格の上昇を受け、金利先物市場では16日の0.25ポイント利上げ確率が94.5%まで上昇しており、1カ月前の33.1%から大きく変化しました。今回のFOMCでは利上げの有無に加え、その後も金融引き締めが続くのかが重要になりそうです。原油高が物価全体へ波及すれば追加利上げへの警戒も残るため、FRBの声明や今後の金利見通しを確認するまでは、積極的に株式を買いにくい状況だったのではないでしょうか。
VIX恐怖指数は17.20と0.10ポイント上昇しました。米国株は続落しているものの、VIXが20を大きく上回るような急上昇には至っておらず、現時点ではパニック的な売りというより、FOMCや原油価格、長期金利の動向を確認したいという慎重姿勢が強かったように見えます。一方、為替市場ではドル高圧力も意識されており、米国の利上げ観測と米10年債利回りの上昇に加え、日本でも金融政策を巡る思惑が続いていることから、日米の金融政策をにらみながら為替も変動しやすい状況となっています。
米国市場全体のまとめ
1.NYダウ、NASDAQ、S&P500がそろって下落し、特にNASDAQの下げが目立つ一日だった。
2.中東情勢による供給不安から原油価格が上昇し、インフレ再加速への警戒が強まる展開だった。
3.米10年債利回りが5%を突破し、金利上昇がハイテク株を中心に株式市場の重荷となった。
4.FOMCでの0.25ポイント利上げ観測が急速に高まり、FRBの今後の金融政策を見極めたい相場だった。
5.VIX恐怖指数の上昇は限定的で、パニック売りよりも重要イベントを前にした慎重姿勢が強い市場だった。
日本市場(9月16日)
前日の米国市場では主要3指数が下落したものの、半導体関連株の一角が買い戻された流れもあり、16日の日本市場では日経平均が4営業日ぶりに反発しました。ただし、AI関連株への警戒感や米国の金融政策を巡る不透明感は残っており、半導体関連株が一様に買われたわけではありません。アドバンテストが上昇する一方、キオクシアホールディングスやソフトバンクグループは下落するなど、これまで相場をけん引してきたAI・半導体関連株のなかでも強弱が分かれる展開となりました。
日経平均の終値は前日比438.90円高の63,923.00円、TOPIXは24.56ポイント高の4,061.72ポイントとなりました。直近の下落を受けた押し目買いが相場を支えた一方、日本時間17日未明にはFOMCの結果発表とFRB議長の記者会見が予定されているため、その内容を確認したいとの姿勢も強く、積極的に上値を追う動きは限られていたのではないでしょうか。
もっとも、個別株への買いは比較的広い範囲に及んでおり、東証プライムの売買代金は6兆7,075億1,500万円となりました。値上がり銘柄は1,048銘柄、値下がり銘柄は452銘柄、変わらずは53銘柄となり、値上がり銘柄が全体の約3分の2を占めています。また、原油価格の上昇を背景にエネルギー関連株にも買いが入り、半導体など一部の主力株だけではなく、外部環境の変化を手掛かりとした資金移動もみられました。
企業固有の材料を評価する動きも目立ちました。日立製作所は、子会社の日立エナジーが米ミシシッピ州に5億2,800万ドルを投じ、新たな変圧器工場を建設すると発表したことが材料視されました。また、ダイヘンはEMS事業の受注高について、2027年3月期の450億円から2031年3月期には700億円まで拡大する見通しを示しており、成長期待から買いにつながったようです。さらに、防衛予算の増額観測を背景に三菱重工業などの防衛関連株にも買いが入り、企業の成長投資や政策テーマを手掛かりとした物色も日本市場を支えました。
株主還元では、信越化学工業の増配も注目されました。同社は2027年3月期の中間配当について、従来予想の1株58円から78円へ引き上げており、2026年9月16日に創立100周年を迎えたことに伴って20円の記念配当を実施します。これにより年間配当予想も116円から136円へ増額される予定で、9月中間期末が近づくなか、増配や株主還元を評価する動きも個別株物色の一つの材料になったのではないでしょうか。
日本市場全体のまとめ
1.日経平均は438.90円高の63,923.00円となり、TOPIXも上昇する反発相場だった。
2.AI・半導体関連株ではアドバンテストが上昇する一方、キオクシアHDなどが下落し、銘柄ごとの強弱が目立つ一日だった。
3.原油高を背景にエネルギー関連株が買われ、防衛関連株にも政策テーマを意識した資金が向かう展開だった。
4.日立製作所やダイヘンなど、設備投資や事業拡大といった企業固有の材料を評価する動きがみられた一日だった。
5.FOMCの結果発表を控えて積極的な上値追いは限られ、米国の金融政策を見極めたい雰囲気が残る相場だった。
トレード銘柄|ZENMUTECHをデイトレード、トライアルHDを買い増し
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 338A ZENMUTECH
株 価: 3,205.0円 → 3,261.0円
約定時間: 09:17:19 → 09:41:18
収 支: +5,600円
狙 い: 売買代金ランキングから選定 - 563A GXNAS100Dカバコ
株 価: 1,000.0円
数 量: +1口
合 計: 23口

SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 141A トライアルホールディングス
株 価: 3,700.0円
数 量: +1株
合 計: 22株
売却銘柄
- なし
8月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|方向感に欠ける相場でZENMUTECHを利確、トライアルHDは急落で買い増し
本日の日経平均は最終的に上昇したものの、場中は落ち着かず、一時マイナス圏へ沈む場面もあるなど方向感をつかみにくい一日でした。私がデイトレードを行っていた9時台から10時台にかけては、ちょうど日経平均が下落している時間帯と重なっており、その影響もあったのか、トレード候補を探していても上昇幅の小さい銘柄が多く、普段以上に銘柄選定の難しさを感じました。
そのなかでデイトレード銘柄として選んだのがZENMUTECHです。売買代金ランキングから候補に入れ、資金が集まっていると考えて3,205.0円でエントリーしましたが、その後は日経平均に歩調を合わせるように株価が下落し、一時は含み損を抱える展開となりました。それでも持ち直した後、一時的に大きな陽線をつけて急上昇したため、このまま上値を追うよりも、急激に跳ねた反動から再び下落する可能性があるのではないかと考え、3,261.0円で売却しました。その後は実際に株価が下落して軟調な動きとなったことから、少なくとも今回については急騰した場面で利益を確定した判断でよかったのではないかと思っています。
単元未満株では、トライアルホールディングスを1株買い増しました。最近は株価が上昇し、保有分も含み益で推移していましたが、私が出口戦略として考えている水準まではまだ距離があったため、そのまま保有を続けていました。しかし、本日は株価が3,700円まで急落し、保有分も含み損へ転落しています。
急落につながる材料があったのか確認したところ、直近では9月10日に8月の月次売上高が発表されています。ただ、この材料に反応するのであれば翌営業日など、もう少し早い段階で株価に動きが出ても不思議ではなく、今回の急落との直接的な関係については分かりませんでした。また、消費税減税についても小売業には追い風になる可能性があると考えているため、現時点では本日の下落理由を明確には判断できていません。他のセクターへ資金が移動した可能性なども考えられるのではないでしょうか。
一方で、株価が取得単価を割ったことで、これまで上昇局面では行いにくかった買い増しを検討できる水準になったとも考えました。そのため今回は1株を追加し、取得単価を引き下げながら、今後の株価上昇につながることを期待して買い増しする判断としました。

