2025年8月4日の日本株市場は、米国発の政治リスクと雇用統計の失速により、主要指数が全面安となる波乱の一日でした。本記事では、グロース株を中心に狙ったデイトレードの収支を公開しつつ、米国・日本市場の背景をわかりやすく解説。市況分析をもとに今後の戦略のヒントも交えてお届けします。
2025年8月4日の市況|雇用統計の失速と政策不透明感で投資家心理悪化、主要指数がそろって下落
主要指数(8月4日時点)
日経平均:40,290.70(-508.90)
TOPIX:2,916.20(-32.45)
NYダウ:43,588.58(-542.40)
NASDAQ:20,650.13(-472.31)
S&P500:6,238.01(-101.38)
米国市場(8月1日)
8月1日(金)の米国市場は、まさに「嵐の金曜日」となりました。ダウ平均は前日比-542ドル、S&P500は-1.6%、ナスダックは-2.24%と、大幅な下落を記録しました。背景にあるのは、トランプ大統領が突如発表した高関税政策(最大41%)と、予想を大きく下回った7月の雇用統計です。
アマゾンはAWSの成長鈍化が嫌気されて8%超の急落、アップルも関税コストを警戒して約2.5%下落。加えて、メタ、アルファベット、テスラ、NVIDIAなどの大型ハイテク株も軒並み売られ市場の足を引っ張る存在となりました。
雇用統計では、7月の非農業部門雇用者数がわずか7.3万人の増加にとどまり、市場予想(約11万人)を大きく下回る結果に。さらに5月・6月のデータが合計で25.8万人も下方修正され、失業率も4.2%まで上昇。これを受けて米国債が買われ、2年債利回りは3.77%、10年債も4.26%付近まで急低下。CME FedWatchでは、**9月の利下げ確率が86%**に達しました。
さらなる混乱を招いたのは、トランプ氏による米労働統計局長の即時解任と、FRBクーグラー理事の辞任報道です。金融政策の独立性やデータの信頼性に不安が広がり、ドル指数は2%以上も下落。円高が進んだ背景には、この日米金利差の急速な縮小が影響しています。
週末には、「関税収入を中低所得層に分配する」という再分配政策にも言及。市場は予測不能な大統領の動きに敏感に反応しました。
日本市場(8月4日)
米国の雇用統計失速と統計修正の影響により、米長期金利は大きく低下。FRBの9月利下げ観測は96%にまで高まりました。さらにトランプ大統領による労働統計局長の解任が、データの信頼性そのものを揺るがすニュースとして日本市場にも波及しました。
取引開始時には、日経平均が節目の40,000円を割り込む場面も。しかし、グロース株など一部の強い銘柄や個人投資家の押し目買いが支えとなり、最終的には下げ幅をやや縮小しました。
為替はドル安・円高方向に進み、147円台後半での小幅な反発にとどまりました。この円高傾向が、トヨタやソニー、東京エレクトロンといった輸出関連株の重しになったことは否めません。
とはいえ、ヤマト運輸や任天堂、イビデンなど決算ガイダンスを上方修正した企業には買いが集まり、個別株に対する期待感は健在。決算シーズンを控え、全体のセンチメントはやや慎重ながらも「次のチャンスを探る地合い」へと移りつつあります。
デイトレード銘柄|グロース市場中心の選定でコツコツ利益を積み上げ
楽天証券
8月4日は米国株大幅下落の影響もあり、東証プライム・スタンダード市場は全体的に軟調。その中で相対的に強かったグロース市場に注目してトレードを行いました。
- 6574 コンヴァノ
株 価: 1,557.0 → 1,564.0
約定時間: 10:13:03 → 10:37:53
収 支: +700円
狙 い: 株式分割による流動性向上と、前営業日のストップ高を材料にエントリー。 - 265A Hmcomm
株 価: 1,262.0 → 1,269.0
約定時間: 11:17:23 → 11:19:37
収 支: +700円
狙 い: 出来高の急増と短期反発を狙い、タイミングを見て参入。 - 281A インフォメティス
株 価: 2,004.0 → 2,013.0
約定時間: 12:53:32 → 12:55:09
収 支: +900円
狙 い: 売買代金ランキング上位で、安定した値動きから短期向けと判断。 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,084.0
数 量: +5株
合 計: 6株
※全体が下落していたため、押し目買いとして多めに追加購入。
SBI証券
買い増し銘柄
- 1719 安藤・間 +1株(合計30株)
- 4208 UBE +1株(合計6株)
売却銘柄
- なし
反省点|読みと判断に改善の余地あり
コンヴァノ
株式分割と前日の材料を根拠にエントリーしたが、やや上値掴みとなる場面も。情報整理の精度向上が必要。
Hmcomm
利確タイミングは良好だったが、エントリーポイントがやや中途半端。もう一段階チャート分析の深さを意識。
インフォメティス
エントリーから利確まで安定した動きで、戦略通りのトレードができた。現時点での反省点は特になし。
総括
全体としてはグロース市場の相場観は合っており、エントリーポイントも悪くなかった。ただ、利益をより最大化する視点や材料精査の深さには伸びしろあり。今後は、流動性と材料性のバランスを意識したエントリー判断が鍵になりそうです。