6月2日の日本市場は、なぜ急落から一転して大きく戻す展開になったのか。前日の米国市場では、AI関連を中心に主要指数がそろって最高値を更新し、テクノロジー株が相場を押し上げました。一方で、原油高や中東情勢の不透明感といった外部要因も意識され、金利や為替を含むマクロ環境には慎重な空気が残っていました。
こうした流れは日本市場にも波及し、寄り付き直後は地政学リスクを背景に売りが先行。日経平均は一時1300円を超える下げとなりましたが、午後には割安感から押し目買いが入り、急速に下げ幅を縮小する展開となりました。米国市場の強さと外部環境の不安定さが交錯し、投資家心理が揺れ動いた一日だったと言えます。
この記事では、米国市場から日本市場への流れを整理しつつ、当日のデイトレ銘柄の選定理由や約定タイミング、値幅の取り方を具体的に振り返ります。また、別口座で進めているスイング(高配当投資)の売買状況にも触れ、どのような視点でエントリーしたのかをまとめています。最後に、その日のトレード全体を振り返り、良かった点と改善点を整理しながら、読者と一緒に相場理解を深めていく姿勢で締めくくります。
相場の流れを丁寧に追いながら、自分の投資判断をアップデートしたい読者に向けた内容になっています。
2026年6月2日の市況|米国は最高値更新、日本は急落からの急速な戻り
主要指数(6月2日時点)
日経平均:66,734.24(-200.09)
TOPIX:3,924.24(-16.46)
NYダウ:51,078.88(+46.42)
NASDAQ:27,086.80(+114.18)
S&P500:7,599.96(+19.90)
米国市場(6月1日)
6月入り初日の米国市場は、落ち着いた値動きながらも主要3指数がそろって終値ベースで過去最高値を更新する力強い展開となりました。NYダウは51,078.88ドルで取引を終え、前日比46.42ドル高と小幅な上昇にとどまったものの、高値圏を維持しながら節目を意識した動きが続きました。S&P500は7,599.96、ナスダック総合指数は27,086.81で引け、いずれも最高値を更新。市場全体としては、強さを保ちつつも慎重さがにじむスタートとなった印象です。
この日の相場を押し上げた中心は、引き続きテクノロジー関連、とくに半導体やAI関連の銘柄でした。エヌビディアがAI対応を意識した新しいPC向けプロセッサーを発表し、株価は6%を超える上昇を記録。これを受けて、デル・テクノロジーズやHPといったPCメーカーにも買いが広がり、2桁台や1桁台後半の上昇となりました。一方で、従来型PC向けチップで存在感の大きいインテルは競争激化への警戒感から4%超の下落となり、同じテクノロジーセクター内でも明暗が分かれる展開となりました。
セクター別では、テクノロジーに加えてエネルギー関連の上昇も目立ちました。S&P500の中でエネルギーセクターは数少ない上昇セクターとなり、マラソン・ペトロリアムが約4%高、エクソンモービルやシェブロンも2%前後の上昇となりました。背景には原油価格の上昇があり、WTI先物は1バレル92.54ドル、ブレント先物は94.98ドルと、いずれも前日から大きく上昇しています。エネルギー価格の上昇はエネルギー株には追い風となる一方、消費関連や景気敏感株には重しとなり、テックとエネルギーが指数を支えつつも、他セクターの弱さを相殺するようなバランスの一日でした。
原油高の背景には、中東情勢に関する報道が影響しています。イランが米国との協議を一時停止したと伝えられたことや、ホルムズ海峡の封鎖に関する報道が意識され、原油市場では緊張感が高まりました。その後、米国大統領がイスラエル首相との電話協議について「生産的だった」と述べ、米軍のベイルート派遣を否定したことで、原油価格は高値圏ながらも上昇幅を縮小する場面も見られました。こうした地政学的な材料は短期的に原油やエネルギー株の値動きに直結しやすく、投資家心理にも影響を与えたようです。
マクロ面では、週末に控える米雇用統計への注目が高まっており、金利や金融政策の見通しを大きく変える材料はこの日には限定的でした。FRBの利下げ時期やペースを見極めたい投資家が多い中、AI関連を中心とした大型テック株への資金集中が続く一方、原油高によるインフレ懸念も残り、銘柄やセクターによって温度差のある相場つきとなりました。
個別材料では、エヌビディアの新チップ発表に加え、PC・サーバー関連の需要期待が改めて意識され、デルやマイクロソフトなどAIインフラやPCエコシステムに関わる企業への評価が高まりました。一方で、競争激化が懸念される半導体企業には売りが出るなど、AI関連といっても一様に買われるわけではなく、企業の立ち位置によって評価が分かれる一日でした。投資家にとっては、AIという大きなテーマの中でも、チップ、ハードウェア、ソフトウェア、クラウドといった企業のポジションを見極める重要性が増している局面と言えます。
日本市場(6月2日)
2日の日本市場は、主要指数がそろって下落する展開となりました。日経平均株価は前日比200円09銭安の66,734円24銭、TOPIXは16.46ポイント安の3,924.24で取引を終え、3営業日ぶりの反落となりました。前日まで連日で過去最高値を更新していたこともあり、利益確定売りが出やすい地合いだったと言えます。
相場を押し下げた大きな要因として、中東情勢に関する報道が挙げられます。イランが米国との戦闘終結に向けた交渉を停止したと伝えられたことで、地政学的リスクが意識され、原油先物価格が上昇。世界的なインフレ懸念が強まり、投資家がリスクを避ける姿勢を強めました。取引時間中には警戒感が一気に高まり、日経平均の下げ幅は一時1,300円を超え、節目の66,000円を割り込んで午前の取引を終えました。
しかし午後に入ると、急落による割安感が意識され、押し目買いや買い戻しが活発化。日本企業の業績に対する信頼感も背景にあり、下値では強い買い支えが入りました。結果として、1,300円超の下げ幅は大引けにかけて急速に縮小し、最終的には200円安まで戻して取引を終える展開となりました。急落に見舞われながらも、下値の堅さが改めて確認された一日でした。
トレード銘柄|本日の売買記録と積み立て状況
楽天証券|デイトレードと積み立て投資
特定口座
- 6702 富士通
株 価: 3,702.0円 → 3,709.0円
約定時間: 09:09:37 → 09:09:52
収 支: +700円
狙 い: 売買代金ランキング上位で短期的な値動きが期待できると判断し、板の厚みと気配を見ながら短時間での値幅取りを狙いました。 - 6758 ソニーグループ
株 価: 3,581.0円 → 3,600.0円
約定時間: 09:23:02 → 09:24:50
収 支: +1,900円
狙 い: 売買代金ランキングから選定し、寄り付き後の値動きが素直でエントリーしやすいと判断。板の動きが軽快だったため短期の上昇を取りにいきました。 - 2865 GXNDXカバコ
株 価: 1,277.0円
数 量: +1口
合 計: 239口
NISA口座
- 8729 ソニーフィナンシャルグループ
株 価: 137.4円
数 量: +100株
合 計: 1,400株
※前日にPTSで売却したQDレーザーの利益は前日の記事で公表済みのため、本日の利益は2,600円となります。
SBI証券|スイングトレード
買い増し銘柄
- 3231 野村不動産ホールディングス
株 価: 897.0円
数 量: +10株
合 計: 10株 - 3861 王子ホールディングス
株 価: 761.8円
数 量: +10株
合 計: 140株 - 7267 ホンダ
株 価: 1,381.0円
数 量: +10株
合 計: 10株 - 8904 AVANTIA
株 価: 816円
数 量: +5株
合 計: 110株 - 9757 船井総研ホールディングス
株 価: 1,072.0円
数 量: +5株
合 計: 45株
売却銘柄
- なし
5月末時点でのポートフォリオはこちらを参照してください。
反省点・総括|市場の資金流れを意識しつつ慎重に対応した一日
直近の急上昇を受けて利益確定売りが出やすい地合いの中、売買代金ランキング上位は半導体関連の値嵩株が中心でした。本日のデイトレ銘柄はどちらも初めて触る銘柄でしたが、板の動きを丁寧に確認しながらエントリーポイントを見極めたことで、無理なく利益を得ることができました。ただ、市場全体に資金が広く流れている印象は薄く、無理に銘柄数を増やさず2銘柄で終了した判断は良かったと感じています。
SBI証券での高配当投資は、ここ数日ポートフォリオ全体が軟調でした。半導体関連に資金が集中している影響もあり、他セクターはやや重い展開が続いています。その中で買い増したのは王子ホールディングス、AVANTIA、船井総研ホールディングス。さらに、利回りが4.8%まで上昇している野村不動産ホールディングスは、不動産関連が軟調な中でも業績と利回りのバランスを評価し、少量でエントリーしました。
ホンダについては、以前1,450円で保有していた際に利益確定した経験から、現在の1,300円台が妥当な水準と判断。利回りも当時より改善しているため、再度エントリーしています。